今回紹介するのは
エピソードは少ない神様
ニルリティ
です。
インド神話に興味がある人はぜひ読んでみてください。
[スポンサーリンク]インド神話のニルリティとは?
ニルリティはインド神話における女神の一人で「ヴェーダ時代(紀元前1000~500年頃)」に信仰を集めています。
そのプロフィールは以下の通りです。
~ニルリティの基本プロフィール~
- 別名: アラクシュミー
- 別表記: 涅哩底王
- 名前の意味: 「破滅」、「死」
- 夫: アダルマ(諸説あり)
- ヴァ―ハナ(乗り物): カラス
- 出典: リグ・ヴェーダ
中国でのニリルティ
仏教を経由して中国に輸入されました。
そこで、涅哩底王という仏様、羅刹天という仏様に変わっています。
涅哩底王は男性の仏様なので、性転換した女神様でしょう。
話は少ないがインドにおける死を司る女神様
ニリルティは人間がいつも恐れている「不吉」、「死」、「破滅」を司っています。
この女神が出ているのは「リグ・ヴェーダ」なんですが、そこではわずかに言及しているのみです。
賛歌は同時に記されており、「不吉な鳥に対する歌」というタイトルです。
~ 不吉な鳥に対する歌 ~
鳩が、ニリルティの使者として派遣されてここに来ようとも、われわれはそれに呪文を唱え、贖罪をする。
派遣された鳩はわれわれに吉祥であれ。
鳥は、われわれの家において無害であれ
こんな感じの詩です。
[スポンサーリンク]古い時代から恐るべき存在?
先ほどの詩だけでもニリルティがかなり怖い存在というのは分かると思います。
こういった感じの話はリグ・ヴェーダ以前の教典「アタルヴァ・ヴェーダ(紀元前15世紀)」にも同じような話が描かれています。
古い時代からニリルティは畏れられていた存在で、名前自体も「死」、「破滅」を意味するものです。
やはりインドであろうがどの世界でも死は神様が大きく関わっていると信じられていたんでしょう。
アラクシュミーとの深い関連性
アラクシュミーは5~10世紀ごろに作られた「リンガ・プラーナ」に登場する貧困と不幸を司る女神さまです。
このアラクシュミーはニリルティと同じ女神と考えられています。
ちなみに、アラクシュミーの名前は「ラクシュミー」の反対の意味、否定形の意味です。
なぜ否定形なのか?
インドの天地開闢譚「乳海撹拌」の際に、ラクシュミーの姉として生まれたのがアラクシュミー。
ラクシュミーは14の宝物として生まれて美しい女神
アラクシュミーは残骸の泥から誕生した醜い女神
なので、「アラクシュミー」は「ラクシュミー」の否定形となるわけです。
[スポンサーリンク]まとめ: ニリルティはこんな女神様
今回は人類が最も恐れる「死」に関する女神さまです。
この概念はやっぱり恐ろしいのかどの神話にもこういった神様は存在します。
だからこそ、生贄を捧げたり農作物を捧げたりするんですかね?
というわけで今回のまとめ
- ニリルティはインド神話の女神
- 死と破滅を神格化した女神
- エピソードは少ないが古くから恐れられている
- 「不幸と貧困」を司る「アラクシュミー」と同一視
- 仏教を介して中国に広まり、男性の仏様になった