今回紹介するのは
略奪婚を望んだ女神
ルクミ二―
です。
インド神話に興味がある人はぜひ読んでみてください。
[スポンサーリンク]インド神話のルクミ二―とは?
ルクミ二―は「英雄物語」における女神さまの一人です。
~ルクミ二―のプロフィール~
- 名前の意味: 「輝くの派生形」
- 夫: クリシュナ
- 転生元: ラクシュミー
- 出典: ヴィシュヌ・プラーナ
神話の結婚
神話の結婚では世界中でも「略奪婚」などはよくあります。
インド神話では求婚の前に相手を強姦する雷神インドラなどがいますが、花嫁を相手から強奪して結婚するというのは神話では当たり前のこと。
インドラに結婚前に強姦された被害神↓
ルクミ二―は自ら望んで奪われた花嫁
そんな彼女が登場する英雄物語「マハーバーラタ」では、主人公のクリシュナがルクミ二―を結婚式から攫う「略奪結婚?」があります。
ここでちょっと吹っ飛んだ内容は「軍隊」を使って結婚式場に乗り込んでいることです。
~クリシュナの略奪婚~
ある王家の美しい娘「ルクミ二―」はクリシュナに恋をしていた。
もちろん、彼らの仲は両親も賛同していたが兄の「ルクミン」はクリシュナを敵視していた。
二人の恋を反対するどころか、妹の婚約相手を勝手に決めてしまった。
結婚の日が近づいてきた時、結婚を望まない彼女は意を決し、クリシュナに内密に手紙を送った。
「望まぬ結婚を強いられています。私を誘拐して救い出して、あなたの妻にしてください」
この手紙を受けてクリシュナはとある行動に出た。
それが、結婚式の日に諸国の王が集まった会場に軍を率いて突入。単騎会場に突撃したクリシュナはルクミ二―を抱えてその場を立ち去った。
当然、このことで面子を潰された兄と婚約者だった男は激高。
ルクミ二―を連れ戻すべく、軍隊を大勢連れてクリシュナの軍隊を追いかけた。
しかし、クリシュナの軍隊はあまりにも強く、兄の軍はいとも簡単に蹴散らされた。
こうして、クリシュナとルクミ二―は彼女の願い通り、「略奪婚」を果たした。
なんかのドラマにありそうですね。
結婚式場に軍隊を連れていくのはやりすぎな気もしますが、神話ってそんなもんですよね?
[スポンサーリンク]運命で結ばれた夫婦
そんな略奪婚で本来結ばれたい方と夫婦になることができたルクミ二―。
実はこの出来事は全て彼女たちの前世からすでに決まっていたんです。
まず、彼女たちの前世の姿は
- クリシュナ: 維持神「ヴィシュヌ」の化身
- ルクミ二―: ヴィシュヌ神の妃の「女神ラクシュミー」
ラクシュミーは、地上の各地に化身するヴィシュヌ神を追いかけるように化身を送り込んでいます。
その中で、ルクミニーとクリシュナといった物語が生まれたというわけです。
ラクシュミーのヴィシュヌ神を愛する思いがこういった運命を作ったと言えますね。
(ただのストーカー?いえいえ、愛する者の行動故致し方なし)
雑学: メヘンディ―
メヘンディ―というのはインドの言葉で、「ヘナで肌を染める・模様を描く」という意味があります。
いわゆるタトゥーに近いもので、ヘナという植物を使います。
主に南アジアからアフリカ大陸や中東などで、「縁起もの・幸運・吉祥」などを招くものとして肌にいれるそうです。
特に今回紹介しているインドでは、ラクシュミーが最も愛した植物として、祭りごとや結婚式などでは必ず使われています。
花嫁の手足にびっしりと描き、「メヘンディの色が濃く出る程、花嫁は幸せになれる」と信じられています。
まさに今回紹介したルクミ二―も、メヘンディをしていたと考えられます。
[スポンサーリンク]まとめ: ルクミ二―はこんな女神
今回は略奪で結ばれた花嫁「ルクミ二―」について紹介させていただきました。
運命で決まっていたとはいえ、誘拐してほしいと望み、それにしっかりと答える神も本当にすごいですね。
というわけで今回のまとめ
- ルクミ二―は英雄物語に登場する女神
- 結婚を勝手に決められたので略奪をしてもらうことを決意
- クリシュナが誘拐し、略奪婚をした
- 2人は運命で決まっていた通り、結婚をした