今回紹介させていただくのは
誘拐された英雄の妻
サイヴ
です。
ケルト神話に興味がある方はぜひ一読してみてください。
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ケルト神話のサイヴとは?
サイヴはフィアナ神話における女神の1柱です。
正確にはフィアナ神話に登場するトゥアハ・デ・ダナーン神族の女神さまです。
~サイヴのプロフィール~
- 名前の意味: 甘美
- 別名: サバ(Saba)
- 欧文表記: Sadhbh
- 種族: トゥアハ・デ・ダナーン神族
- 出典: フィオナ神話
フィオナ神話
フィオナ神話、正しい呼び方は「フィアナ神話」らしいですね。
ここでは呼びやすいようにフィオナ神話としておきます。
英雄クー・フーリンが活躍したアルスター神話から、約300年後のアイルランドでの神話となります。
フィアナ騎士団とその騎士団長「フィン・マックール」を中心とした物語です。
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サイヴとフィン・マックールの出会い
女神サイヴはフィオナ神話における主人公「フィン・マックール」の嫁に当たります。
その物語は少し悲しく、儚き恋物語でもあります。
~ フィン・マックールとサイヴ ~
ある日、狩りに出ていたフィン・マックールは、猟犬が鹿を狩ろうとしなかったので、城まで連れて帰ることにした。
城に着き、一夜するとその死かは見目麗しき美女「サイヴ」になっていた。
彼女は「デ・ダナ―ンの”闇のドルイド”の求愛を拒み、鹿になる呪い」を掛けられていた。
その呪いは、フィンの城に入ると一時的に解除されるものであった。
そのサイヴに強くひかれたフィンは彼女に求愛したが、彼女は
「人とは生きる速度が違うので、悲しき結末になる」
と警告したが、フィンは押し切り、契りを結んだ。
それ以降、フィンは狩りも戦いの訓練も忘れてサイヴとの時間を過ごしていった。
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サイヴの誘拐と息子
ここまでは、フィンとサイヴとの出会いと契りを表しましたが、この後は悲しい結末となります。
~ サイヴの誘拐 ~
フィンと結婚したサイヴは幸せな日々を送っていた。
だが、外敵との戦いの為、フィンは城を少しの間開けておく必要があった。
フィンが戦っている間に、フィンの姿に化けた「闇のドルイド」が、サイヴを騙し、再び鹿にしてしまい誘拐してしまった。
そのことに気が付かなかったフィンが1週間後に城に戻った時、彼女の姿はどこにもなかった。
その後、7年かけてフィンは妻を探し回ったが、見つかることはなかった。
そんな時、裸の野生児を見つけ、保護して言葉を教えると
「自分の母は鹿であり、黒い男の術で母は連れていかれた」
と答えた。
フィンはその言葉で、この子供が自分とサイヴとの間に生まれた子と確信した。
息子を「オシーン(小鹿の意味)」と名付け、自分の子供として育てた。
恐らく、サイヴは見つからなかったんでしょう。
子供だけが助かったのが、せめてもの救いですが・・・・サイヴにも助かってもらい、幸せな日々を過ごしてほしかったです。
神話における鹿
ケルト神話では、鹿は異界への使者として表されることが多いです。
その他にもアーサー王伝説においても鹿は登場しています。
ケルト神話 | 異界への使者 |
アーサー王伝説の鹿 | アーサー王が優美な牡鹿を追って「探索の獣」を見つけ、円卓の騎士ガラハッド卿は白い牡鹿に導かれて聖杯に到達した。 |
マビノギオン1話 | ブイス王はアカシカを追い、妖精界であるアンヌウヴンに到達する |
スコットランド高地地方と島々の迷信 | 妖精の女性は優美なアカシカに変身。
他の鹿を引き連れて森を駆けるため、アカシカを狩ろうとする者に対し、妖精は魔法の矢で撃退しようとする。 |
日本神話 | タケミカヅチが白い鹿に乗って鹿島から奈良の都に向かった |
世界中の神話などで鹿というのは神の使いと考えられているからと考えられます。
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まとめ: サイヴはこんな女神様
今回はケルト神話におけるサイヴを紹介させていただきました。
物語ではやはりサイヴをフィンが見つけることはできず、物語としてはある意味でバットエンドを向かえています・・・・。
というわけで今回のまとめ
- サイヴはフィオナ神話の女神
- 闇のドルイドに鹿にされる呪いにされる
- フィンの妻となり幸せな日々を送る
- フィンが戦っている時に闇のドルイドに再び誘拐される
- 7年後、フィンは息子を見つけて大切に育てる
- サイヴはフィンと再会することはなかった