今回紹介させていただくのは
泉と癒しの女神
スーリス
です。
ケルト神話に興味がある方はぜひ一読してみてください。
ケルト神話のスーリスとは?
スーリスはケルト神話で信仰されている女神さまの一人です。
~スーリスのプロフィール~
- 名前の意味: 目
- 英語表記: sulis
- 出典1: リグ・ヴェーダ
- 出典2: バース市の遺跡
スーリスの名前の由来
スーリスはサマセット地方の温泉を守護する「泉と癒しの女神」です。
それに由来するのか、この温泉では数ある病状の中で特に「眼病」に効くといわれています。
それゆえ、ケルト人の言葉「目(Suil)」が派生した「スーリエ」ち名前で呼ばれています。
スーリス: お風呂の女神?
英語ではお風呂はBath。
イギリス南西部のサマセット地方には、イギリス最大の温泉地バース市があります。
この名前は温泉浴場(bath)ということから、ノルマン人が後からつけた名前でもあります。
本来、この地方はブリテン島において信仰されていたケルト人の女神の名前「アクアエ・スーリス(女神スーリスの泉)」と呼ばれていました。
スーリス: とある慣習
スーリスの泉の近くにある神殿跡地には、目をかたどった奉納物が大量に見つかっています。
これは、治してほしい部位をかたどって奉納するという慣習があったということがうかがえます。
意図的に傷つけたコインも投げ込まれており、「現世での役割」を終わらせてあの世や異界へ送ろうとしていたと考えられます。
日本でも、同じように悪い部分をかたどって~~っていうのはありますし、その辺りは万国共通なのかもしれません。
スーリス: ローマ人との関係
一見するとブリテン島とローマにはあまり関係がないように見えます。
スーリスを信仰していたのは、「ブリトン人」だけでした。
ですが、古代ローマ帝国がブリテン島を占領し、地図の一部に取り入れたことがあります。
その時にローマ人の間で温泉人気が高まり、病気の治療を願ったローマ市民の巡礼の場所になったといいます。
ローマ人は
- スーリスの聖地に巨大神殿と温泉を建造
- スーリスをローマ神話の万能の女神「ミネルヴァ」に見立てて熱心に信仰
など、それは熱の入った信仰だったとか・・・・。
つまり、スーリスの慣習はケルト人ではなく、ローマ人が作り上げたものです・
スーリス: 暗い一面
そんな治療の女神にも暗い一面があったとされています。
それは、スーリスの泉には病気の治療を願ったり、治療に感謝したコインや奉納物が数多くささげられていました。
その一方、「呪いの銘板」という呪いが記された板も投げ入れられていました。
この「呪いの銘板」は「誰かに恨みを持つ人間が、その相手に神罰が下る」ように願って奉納されたものです。
癒しの女神に呪いを願うというのは愚かというか・・・・。
まとめ: スーリスはこんな女神様
今回はケルト神話において癒しなどを司る女神スーリスを紹介させていただきました。
日本も有数の温泉国ですが、イギリスやローマも負けていないということですかね・・・・。
というわけで今回のまとめ
- スーリスはケルト神話の女神
- イギリス南西部のサマセット地方の女神
- 泉と癒しの女神
- 眼病に効くといわれていることから、「Suil(目)」が派生した名前が女神の名前
- ローマ人のお風呂好きから神殿建造にまで発展
- 治療などを願って奉納物をささげる習慣がある
- 呪いが刻まれたタブレットなどが奉納されることも