今回紹介させていただくのは
ケルトの女神の代名詞
アンドラステ
です。
ケルト神話に興味がある方はぜひ一読してみてください。
ケルト神話のアンドラステとは?
アンドラステはケルト神話で信仰されている女神さまの一人です。
出典はローマ史と一世紀に入ったあたりです。
~アンドラステのプロフィール~
- 名前の意味: 無敵
- 欧文表記: Andrasta
- 別名: Andrasta,Adraste,Andred
- 出典: 61年 カッシウス・ディオ著「ローマ史」
アンドラステに近い神?
トルコにアナトリア半島に「正義と復讐の女神アンドラステイア」という女神がいます。
この地方にもケルト人が住んでいたらしく、このアンドラステイアとアンドラステは同じ女神では?と言われています。
同じというよりかは、近い神です。
アンドラステ: 無敵の女神
1世紀ごろ、ブリテン島にはケルト系民族の「ブリテン人」。
彼らはケルト系民族と同じく無数の小部族の集合体でした。
そのブリテン人の指導的立場であり、有力部族であった「イケニ族」がいました。
この部族は「無敵」を意味する「アンドラステ」という戦いの女神を信仰していました。
戦いの前には
- 必ず進行して彼女の加護を願う
- 信託を受ける
- 戦いの行方と一族の未来を占う
など、彼らの戦いのときにはなくてはならない存在でした。
アンドラステ: 様々な女神?
アンドラステはイケニ族が信仰している女神です。
その一方で、様々な動物や女神と関係が近いといわれています。
- アイルランドのゲール人が信仰する「戦場の女神モリガン」
- カラスの女神
- 森に住む熊の女神
- 兎
この神や動物たちと関係性が深いという俗説があります。
アンドラステ: ブーティカの祈り
アンドラステはFGOにも登場する「ブーディカ(ブーティカ)」とのお話で有名になりました。
そんなブーティカのお話は「ローマ史」に登場します。
~ブーティカの反乱~
ブーティカはローマ帝国に領土を奪われ、辱めを受けた。
ローマの代官に彼女は鞭打たれ、ブーティカの2人の娘は強姦された。
これをきっかけにブリトン人の諸部族を搔き集めて反乱を起こした。
この反乱の出陣の際、彼女はアンドラステに必勝の祈りを捧げた。
この時、懐に隠した野ウサギを逃がし、その逃げる先で吉兆を占ったという。
この記述がアンドラステと兎の関係性とされています。
しかし、この祈りはケルトでは一般的な占いなので、アンドラステと関係があるという証拠にはなりません。
アンドラステ: 供え物は・・・・
神様への供え物は一般的であり、どの神話においても一般的です。
当然、この女神アンドラステに対しても同じですが、そのお供え物は・・・・。
~アンドラステへの血の捧げもの?~
ブーティカは反乱の後、ローマ軍の拠点「ロンディニウム(今のロンドン)」を襲撃しました。
そしてこの都市は廃墟と化し、8万人にも及ぶ人々が惨殺されたといわれています。
街のローマ人の女性たちはエッピングの森に連れていかれ、
- 乳房を切り取られ口に詰め込まれて口を縫われる
- 串刺しにする
という悲惨な虐殺を行われました。
この森はアンドラステの聖地であるということもあり、捕虜を生贄として捧げられたという話もあります。
ただ、ローマ人への怒りなどからただ単純に,「憎悪」「遊び」で行われた虐殺という話もあります。その両方の説も正しいでしょう。
まとめ: アンドラステはこんな女神様
今回はケルト神話において最も有名な女神アンドラステについて紹介せていただきました。
ブーティカはFGOでも有名なキャラですし、これを機に色々な女神を知るのもいいでしょう。
というわけで今回のまとめ
- アンドラステはケルト神話の女神
- 「ブリトン人」の「イケニ族」が信仰していた
- 「無敵の女神」「熊の女神」「カラスの女神」など
- ブーティカがローマへの反乱の戦いの際に勝利の祈りを捧げた
- 捕虜を生贄として数多くアンドラステに捧げられた
- アンドラスティアというトルコの「復讐と正義の女神」と近い関係?