今回紹介させていただくのは
蛇を携えし女神
ウェルベイア
です。
ケルト神話に興味がある方はぜひ一読してみてください。
ケルト神話のウェルベイアとは?
ウェルベイアはケルト神話などで信仰されている女神さまの一人です。
~ウェルベイアのプロフィール~
- 名前の意味1: 水ぶくれした者
- 名前の意味2: 曲がっている者
- 欧文表記: Verbeia
- 出典: イングランドのヨーク州西部イルクリーの出土品
複数に分かれた川
川は豊穣や繁栄を意味するものです。
ですが、複数に分かれた川は蛇やドラゴンに例えられることも多いです。
日本でもそうですが、このウェルベイアもその1柱です。
ウェルベイア: 早い発掘
16世紀にイングランドのヨーク州西部イルクリー。
ここにあった城壁を模した石碑に名前「ウェルベイア」が記されていました。
そして、同地区から名前のない女神のレリーフが同じく出土しました。
このレリーフが「ウェルベイア」であるということは、自然に考えられていきました。
そして、1600年という早い時期に発見されたのに関わらず、レリーフは残っています。
ウェルベイア: 川の精霊?
摩耗で細部ははっきりとしていませんが、ウェルベイアは
- ひだのある長い足元までのローブ
- 頭に大きな三角形の被り物
- 両手に1体ずつ蛇を持つ
- 蛇は女神の頭上でお互いに見つめあう
地元の人はこの女神を近くのウォーフ川の精霊と認識。
このウォーフ川はかつて2つに分かれていて、これが2匹の蛇の姿と重なるとか。
この川へは5月1日の前夜に美しいものを集めて捧げる習慣があり、
- 石などの無機物
- 花を必ず含む骨などの有機物
を半々で捧げています
ウェルベイア: どっちが起源?
イルクリーにあるウェルベイアの銘文。
この奉納者は2世紀にここに来たフランスのケルト民族「リンゴネス」の兵士。
彼らの故郷付近の町にも似た像が見つかっています。
こっちの女神は
- 足元までの丈のひだのあるローブ
- 左手だけで2匹の蛇を持つ
- 蛇は「伝令の杖」に通じている
- 右脇には薬草のバーベナによく似た装飾
バーベナは「祭壇の植物」という意味。
束にして石碑を掃き清めたり、煎じて飲んだりする。
このバーベナが「ウェルベイア」の語源という説があります。
ウェルベイア: 自由の女神?
先ほどのリンゴネスの兵士の故郷の女神像。
この女神は右手に松明らしきものを握っています。
この姿が偶然なのか、自由の女神に見えてしまうというものです。
よく見るとそこまで似ていませんが、NYの自由の女神と通じるものがありますかね・・・?
まとめ: ウェルベイアはこんな女神様
今回はケルト神話における女神ウェルベイアについて紹介せていただきました。
蛇ってヨーロッパでは悪知恵やずる賢い意味として、良い意味では見られていませんが、川の流れに例えられる場合もあるということですね。
というわけで今回のまとめ
- ウェルベイアはケルト神話の女神
- 16世紀イングランドの西部イルクリーで発見
- 2匹の蛇を両手で持っている
- ウォーフ川の精霊と信じられている
- 無機物と花を必ず添えた有機物を半々で捧げる習慣がある
- ケルト民族リンゴネスの兵士の故郷にも似たような像がある
- どちらが起源なのかはわかっていない