今回お話するのは
古い時代の円卓の騎士?
キルッフ
です。
古いアーサー王伝説があるからこそ生まれた円卓の騎士です。
キルッフとは?
キルッフはアーサー王伝説における円卓の騎士の一人。
ブリテン島のウェールズ地方における「アーサー王伝説」に登場しています。
~キルッフのプロフィール~
- 欧文表記: Culhwch,Kulhwch
- 別表記1: キルフフ
- 別表記2: キルフッフ
- 初登場: 「マビノギオン」
キルッフという名前の意味
彼の名前の意味は「豚の囲い」です。
なぜこんな名前になったのか?それは彼の出生に秘密があります。
妊娠中の王妃は豚を見てパニックになり、その場でキルッフを出産した。
ということに由来します。(豚小屋の前を通った時に産気づいたという話もあります)
キルッフ: ウェールズ地方の騎士
ウェールズ地方はブリテン島(イギリス)の西部に位置する地方。
「マビノギオン」という話に「アーサー王伝説」よりも古いお話「キルッフとオルフェン」が残っています。
この物語には「アルスル王(アーサー王のウェールズ語)」が登場し、キルッフは彼の部下となります。
なので、広い意味で「円卓の騎士」といえます。
キルッフ: かけられた呪い
キルッフを生んだ母親は産後間もなく亡くなってしまいました。
そして、継母が彼を育てました。
ただ、この継母は彼に呪いをかけてしまいました。
その呪いは「アルウェズという巨人族の娘をどうしようもなく求めてしまう。それ以外の女を触ることはできない」でした。
キルッフが恋した相手は
- 見ず知らずの女性
- 人間を毛嫌いしている巨人族の娘
です。そんな相手をどうしようもなく求めてしまう呪いというのは、試練以外の何物でもありません。
キルッフ: 数々の試練たち
キルッフはその試練を乗り越えるためにアルスル王に助力を求めました。
その願いを受けて王は「親密な、血縁関係を認める意味」を持つ「整髪」をし、助力を惜しまないと約束しました。
6人の騎士と共に冒険に出発し、なんとか巨人の砦に到着したキルッフ。
アルウェズの父イスバザデンは「試練を乗り越えれば娘をやる」といい、
- 魔法の竪琴を持ってこい
- 巨人の剣を持ってこい
- どっかにいるとある人間を連れて来い
など様々な無理難題を示してきましたが、彼は騎士たちと共に何とか乗り越えました。
そして、アルウェズとキルッフは結婚を果たしました。
キルッフ: 仲間の騎士たち
キルッフと彼らの仲間たちは「古いアーサー王伝説の騎士」です。
それゆえに僕たちが知っている「アーサー王伝説」に登場する円卓の騎士の原型となる騎士たちが存在します。
ウェールズ アーサー王伝説 | ブリテン アーサー王伝説 |
騎士 カイ | 騎士 ケイ |
騎士 ペドウィル | 騎士 パーシヴァル |
騎士 フマイ | 騎士 ガウェイン |
この原型とされている騎士たちは「独特な特殊能力」を持っていて、キルッフを支えています。
まとめ: キルッフはこんな円卓の騎士
今回は円卓の騎士の1人キルッフについて紹介させていただきました。
1人の女性を愛するだけならまだしも、それが強制的なのはちょっと嫌ですね。
という訳で今回のまとめ
- キルッフは円卓の騎士の1人
- ウェールズ神話に登場するので、広い意味で円卓の騎士
- 豚小屋の前で生まれたので「キルッフ(豚の囲い)」という名前
- 継母の呪いで「巨人族の娘をどうしようもないほど愛する」ように
- アーサー王や仲間の騎士の手助けを借りて娘と婚姻を果たす
- 彼の仲間はブリテンの円卓の騎士の原型となっている
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