今回お話する悪魔は
神に反逆した大悪魔
ルシファー
です。
日本でも人気の高い悪魔ですが、キリスト教ではかつては最も危険な存在とされていた悪魔です。
ルシファーとは?
ルシファーとは悪魔学・キリスト教における悪魔の1柱。
日本では最も有名な悪魔の1体ともいえ、何かしらゲームなりアニメを見ていればその名前だけでも知っている人は少ないのではないだろうか?
~ルシファー~
- 英語表記: Lucifer
- 別名: ルシフェル,ルキフェル
- 名前の意味: 光を帯びた者
- 登場文献: 聖書など
よく、名前で「ルシフェル?ルシファー?どっちなの?」と聞きますが、どっちでもいいです。
この違いはあくまでも
- ルシフェル: スペイン語読み
- ルシファー: 英語読み
だけなので、名前が違っても「同一的な存在」であることに違いはありません。
「傲慢」を体現する悪魔
ルシファーは悪魔の中でも教会からも特に敵視されていて、
- 魔王
- 堕落天使のTOP
- 人類最大の敵
といった立ち位置に置かれています。
この理由は
ルシファーが自分を作った神への反逆という罪を犯し、人類の7つの大罪「傲慢」を背負っている
といった背景があるからです。
キリスト教における「傲慢」は「自分が誰よりも優れている」ことから
神の存在を否定するという罪を犯す
という罪の根源になるとされている。
その為、神へ反逆したルシファーは「傲慢」を体現する悪魔なのである。
元天使のルシファー
ルシファーは神へ反逆する以前は「天使」の時代があったとされている。
その時の階級は聖書には記されていませんが、
- 熾天使
- 智天使
- 大天使ミカエルの双子の兄
- 全天使の長
- 神を褒め称える歌を司る天使
などといった、かなり位の高い天使であったことが伺える。
ちなみに、大天使ミカエルの兄弟説というのは比較的近年に提唱された説である。
ここまで位が高いというのは、後述する神に反旗を翻した部分に少しかかってくる。
神に反旗を翻した唯一?の悪魔
ルシファーの名前は聞いたことがあっても「人間に何をするの?」といったことを知る人は少ない。
ルシファーは「全ての悪魔を携え、神に反逆という一番大きい罪を犯した悪魔」であり、「人間に対しての悪事」は具体的には描かれていない。
そんなルシファーは何故神に反逆という罪を犯したのか?
~神への反逆者~
ルシファーを作り上げた神はキリスト教における唯一神ヤハウェ。
彼は神によって最初に作られ、最も愛された悪魔であったが、神と同じ位置にいることを望んでしまった。
配下の天使たちを率いて神に反逆を起こした。
この時、神に反逆を起こした天使の数は全体の「1/3」程という膨大な数であった。
しかし、反逆者たちはミカエルと彼の率いる軍勢に敗北し、全員が堕落して地獄へ堕ち、悪魔となった。
といった経緯がある。
そんなルシファーが神に対して反逆をした理由は説がいくつかある。
- アダムに嫉妬
- 神を超えれるという思い上がり
- 地上の人間の救済
- 人間に知恵を吹き込んだ代償
その中でも最初の2つについてみていきたい。
理由1: アダムへの嫉妬
1つ目、人類の原典ともいえる最初の人間「アダム」に対する嫉妬説。
聖書によれば神は
- 1日目: 世界(光と闇)を作った
- 2日目: 天を作った
- 3日目: 海と大地を作った(ついでに植物も)
- 4日目: 太陽と月を作った
- 5日目: 海と空の生物を作った
- 6日目: 地上の生物(人間も含む)を作った
- 7日目: 休息日とした
1日目に天使(ルシファー)を作り、6日目にアダムを作った。
だが、神は天使よりも劣っているとされる人間の方を深く愛した。
ルシファーからすれば、
「自分の方が先に作られたのであるから最も愛されているはずだ。
何故、我々よりも劣っている人間の方を深く愛するのか」
とある意味傲慢な考えを持つのも最もな理由である。
このことに同調した他の天使たちと共に反乱を起こしたという。
この理由ならば、他の天使たちも反乱に加わったという部分にも説明がつく。
理由2: 自分の傲慢さ故に
2つ目の理由は最も単純なもの。
「神よりも自分の方が優れているはずだ」
という説である。
ルシファーは神によって作られた天使たちの中でも、最も優れた力を持っている。
そんな天使たちの頂点に立つルシファーはこう考えたのかもしれない。
「自分は神が作ったどの天使たちよりも最も優れている。
神よりも優れているのかもしれない自分ならば、より高い地位、神の地位に君臨したい」
というある意味で神を試す「傲慢」さから神に対して反乱を起こしたという。
どの説でも、自分に対する「思い上がり、傲慢さ」から神に対して反乱を起こしている。
聖書におけるルシファー
聖書におけるルシファーに関する記述はいくつかある。
探すのが大変だったが、イザヤ書14節12~15章にこう記されています。
あぁ、お前は天から落ちた
明けの明星、曙の子よ。
お前は地に投げ落とされた
もろもろの国を倒した者よ。
かつて、お前は心に思った。
「私は天に上り
王座を神の星よりも高く据え
神々の集う北の果ての山に座し
雲の頂に登って
いと高き者のようになろう」と。
しかし、お前は陰府(よみ)に落とされた
墓穴の底に。
この部分における「天から落ちた」が「堕天使」と結びつけられた。
実際はそういった意味合いでもなく、あくまでも誤訳とのこと。
本来は
天の知恵・知識などが人間たちにもたらされ、文化や芸術の才能をもたらすが、その才能に溺れてしまう可能性もある
といった「善悪・利害」の双方を意味しているらしい。
まとめ: 7大悪魔の1柱「ルシファー」
今回は7大悪魔の1柱「ルシファー」について紹介させていただきました。
神に最初に作られ、神よりも優れた力を持ってしまったと考えてしまい、神に反乱を起こした元天使。
キリスト教における罪に対する考えを如実に表した悪魔ともいえますね。
という訳で今回のまとめ
- ルシファーは「傲慢」を体現した悪魔
- 神によって最初に作られた元天使
- 6枚、12枚の翼をもつ非常に美しい天使の姿説
- 毛むくじゃらで巨大な醜い怪物の姿説
- 神に対して「傲慢な考え」から反乱を起こした
- 天使の「1/3」がこの反乱に加わった
- 反乱は失敗に終わり、地獄に落とされた
- 最初の人間アダムが自分よりも愛されていることに対する嫉妬から反乱を起こした説
- 神よりも自分の方が優れていると考えて反乱を起こした説がある
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