【アーサー王伝説】第21巻3章 アーサー王と不吉な夢
アーサー王の軍の元に、沢山の人が集い、軍勢を率いてソールズベリーに向かった。
聖霊降臨祭の次の日曜日の翌日に、モードレッドと会議がソールズベリーで行われることになり、またとない好機と王は喜んでいた。
ただ、ランスロット側についていた騎士を含め、多くの人々がモードレッド側に集まったのであった。
会議の前夜にアーサー王は恐ろしい夢を見た。
王は自分が夢の中にいるのか、それとも現実にいるのかすら分からない状態であった。すると、王の前にガウェイン卿が現れて明日戦えば死ぬので、ランスロットが援軍で来るまで1ヵ月休戦してくださいと忠告した。
アーサー王はその夢を受けて、モードレッドと休戦協定を結ぶことにした。
執事のルーカン、ベディヴィア達を使わせて、モードレッドと長い交渉の末、
・王が生きている間は、「コーンウォール地方とケント地方」
・王が死んだら全イングランドをモードレッドに
という条件で休戦協定が結ばれるのであった。
主な登場人物
物語の感想
アーサー王の最後の戦いの少し前のお話です。
お互いの軍勢に人々が集まりますが、大半がモードレッド側に付いたみたいです。
新しい物好きな当時のイングランドの人々は新しい王を選び、アーサー王への恩義はもはやなかったと言えます。
それ故なのか、アーサー王は悪夢を見ます。(最も信頼していた騎士達は自分の元から離れ、民や臣下たちも裏切り者のモードレッド側についてしまうのですから、もはや自分の仲間は限られた者たちのみ。)
その夢の内容も、1人だけ素晴らしい席に素晴らしい衣装を身に着けて座っているのに、足元は化け物が群れており、アーサー王を襲う(前述した偉大なるアーサー王にはもはや仲間はおらず、裏切り者たちが自分を襲いに来ている感じ)
夢の中ではガウェインがランスロットの救援が来るまでの1ヵ月は休戦協定を結ぶような話をした。
(神が王と亡くなった善良な兵士を五哀れみ、ガウェインを遣わしたとか。)
それに従ったアーサー王はガウェインと休戦協定を結ぶ。(ただ、この後の章で両軍ともに何も信頼していないことが判明。)
出典: トマス・マロリー「アーサー王物語 5(筑摩書房)」
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