今回紹介するのは
ケルト神話の狩猟の女神
アルドゥインナ
です。
ケルト神話に興味がある人はぜひ一読してみてください。
アルドゥインナとは?
アルドゥインナはケルト神話の女神。
アイルランド・スコットランドにおける女神だが、どういった神なのかは不明。
~アルドゥインナのプロフィール~
- 欧文表記: Arduinna
- 名前の意味: 高き女
- 信仰地: ベルギー、フランス、ドイツの森林高地
- 出典: ローマ、ドイツの出土品
アルドゥインナ: 少ない碑文
アルドゥインナはベルギーやルクセンブルク、フランスやドイツにまたがる森林高地で信仰されていた女神。
「アルデンヌ」と呼ばれている地域は有名ですが、この名前の意味は「高き女」。
このことから、この高地の支配者が「アルドゥインナ」であると示唆されています。
ただ、「彼女の為に作られたとはっきりしている碑文」は2つのみしか発見されていません。
- 3世紀のローマのレリーフ
- ドイツのデュレーンで発見された文字だけの石碑
これ以外にも、彼女の為に作られたという碑文はありますが、はっきりとしておらず、議論が続いているものばかりです。
アルドゥインナ: 狩猟の女神
アルドゥインナの外見は
- 短いチュニック
- 短いブーツ
- 腕や脚は露出が多め
- 左手で弓
- 右手の指は後ろにやられて背負った矢筒の矢羽
と、狩猟を行う人間のような特徴を持った格好です。
この外見からは判断しにくいですが、武器だけで見ればアルドゥインナが狩猟の女神であることが伺えます。
アルドゥインナ: 眷属のイノシシ
フランスのアルデンヌの紋章には「猪」が描かれています。
猪を家畜化したのが豚で、かつての女神はその繁栄と豊穣を願っていたのでしょう。
その影響か、19世紀に発見された「猪に乗る女神」の像はアルドゥインナと見なされています。
この発見された像は
- 左手と顔は欠けている
- 右手には短剣、矢筒のようなもの
- 短いチュニックを留めている
- 猪に横乗りしている
といった姿で描かれている。
同一神といえるかどうかは難しいところだが、少なくとも関係性はあると言えるだろう。
アルドゥインナ: 粉々にされた像と呪い
「フランク史」には西暦600年以前に、巨大な狩猟女神像に関する出来事があったと記されている。
キリスト教の助祭ウルフィライクスは、アルデンヌのカリニャンの人々を改宗させようとした。
そこで、巨大な狩猟女神像を倒して粉々にするという暴挙を行った。
(原本では「Diana」と記されており、彼は「この神を信仰するのは無駄だ」と言った)
その後、助祭は倒された女神像の祟りなのか、全身腫瘍だらけになったという。
ただ、この腫瘍は1日で完治したといわれている。
(治療法は、教会から持ってきた油を全身に塗って横になる)
この狩猟女神が「アルドゥインナ」という説もあるのだという。
まとめ: アルドゥインナはこんな女神
今回はケルト神話の女神アルドゥインナについて紹介させていただきました。
何時の時代も宗教関連の争いは凄まじいもので、相手の信仰している像を破壊するってのはよくあることです。
そして、その時の呪いというのも、もしかしたら本当にあるのかもしれませんね。
という訳で今回のまとめ
- アルドゥインナはケルト神話の女神
- 名前の意味は「高き女」
- ベルギーやドイツ、フランスにかけて信仰されていた
- 外見は狩猟の女神に相応しい外見をしている
- 猪に乗る姿もアルドゥインナとされている
- 巨大な像を粉々にされたとこともある
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