今回お話する悪魔は
元は異教の神様
ベルフェゴール
です。
宗教ってすぐに他宗教の神様を悪魔扱いするんですよね・・・・。
こんなこといったら絶対に怒られる。
ベルフェゴールとは?
~ベルフェゴール~
- 英字表記: Belphegor
- 別名1: ベルファゴル(Belfago)
- 別名2: バアル=ベオル(Baal-peol)
- 名前の意味: 裂け目の主、始まりの王
- 出典: モアブ人の神話や旧約聖書など
「怠惰」を体現する悪魔
キリスト教以外の宗教でも、各宗教で行わないといけない勤めがあります。
キリスト教では「助けを求めている人を助ける」ことで善行を積んだりしていきます。
それ以外にもキリスト教における全ての勤めを行わないことが「怠惰」となります。
善行を積まないといけないのに、それを行わずダラダラと毎日を過ごしていくことをキリスト教は良しとしていません。
そして、勤めを果たさないことは「神を信じるという基本的な勤めも放棄する神の否定」に繋がってしまいます。
ベルフェゴールは「怠惰」の悪魔とされていますが、理由は「イスラエルの民が自分の神を信じないで他の神を信じた」ことが原因と考えられる。
便器に座る悪魔?
ベルフェゴールの外見は「若くて美しい女性」といった姿があります。
ですがその外見とは反対の姿も持っており、それが上の写真のように
- 洋式便器か移動式の椅子
- ねじれた角と尻尾を生やしている
- 醜い悪魔
このような罵倒ともとれる記述がみられます。
この姿は「地獄の辞典」という19世紀の書物で、ユダヤ教の伝説を参考にして作られたとされています。
そこでは
ユダヤ教の聖職者のラビたちは、ベルフェゴールに排泄物や便器を捧げると彼は喜ぶと教えた
となっているが、それが本当に正しいのかは分からない。
異教の神: ベルフェゴール
ベルフェゴールは悪魔として扱われていますが、元々キリスト教が生まれる前にユダヤ人が住むイスラエルの近くの異教の神であったという説がある。
その神の名前は「バアル・ぺオル」であり、旧約聖書において予言者モーセがユダヤ人を連れてイスラエルに移住する前後を描いた「民数記」に登場する。
「モアブ王国」という古代国家で信仰されていた作物を豊かに実らせる神様でもあり、ヤハウェ神に負けないぐらい広く信仰されていた。
ただ、この神様が「男を魅了する妖艶な美女の姿をした悪魔」にまで堕ちた話がある。
ある時、イスラエルに入る直前にモアブ王国を通りがかったユダヤ人が、王国の美しい娘に誘惑された。
そして、その際に多くの民が異教の神でもあるバアルに生贄を捧げて崇拝してしまった。
ヤハウェは「自分ではなく、異教の神であるバアルを崇拝をした」と怒った。
この怒りは簡単には留まらず、ヤハウェはモーセに
異教の神バアル・ぺオルを崇拝した者たちを全員処刑せよ
と命令し、処刑された民たちの遺体は自白の下に晒された。
だが、ヤハウェの怒りは留まらず、疫病をもたらして24000人の命が奪われることとなった。
こういった出来事があり、後々に悪魔学者たちが悪魔と見なしたとされる。
実際に民数記の25章に記されている文章がある
~民数記 25章~
1~9節
イスラエルがシティムに滞在していたとき、民はモアブの娘たちに従って背信の行為をし始めた。
娘たちは自分たちの神々に犠牲を捧げるとときに民を招き、民はその食事に加わって娘たちの神々を拝んだ。
イスラエルはこうして、ベオルのバアルを慕ったので、主はイスラエルに対して憤られた。
主はモーセに言われた。
「民の長たちをことごとく捕らえ、主の御前で彼らを処刑し、白日の下にさらしなさい。そうすれば、主の憤りはイスラエルから去るであろう。」
モーセはイスラエルの裁判人たちに言った。
「おのおの、自分の配下で、ベオルのバアルを慕った者を殺しなさい。」
そのとき、モーセとイスラエルの人々の共同体全体が臨在の幕屋の入り口で嘆いているその目の前に、一人のイスラエル人がミディアン人の女を連れて同胞のもとに入って来た。
祭司アロンの孫で、エルアザルの子であるピネハスはそれを見ると、共同体の中から立ち上がって、槍を手に取り、そのイスラエル人の後を追って奥の部屋まで生き、この二人、すなわちイスラエル人とその女を共に突き刺した。
槍は女の腹に達した。それによって、イスラエルを襲った災害は治まったが、この災害で死んだ者は二万四千人であった。
慣用句「ベルフェゴールの探求」
中世ヨーロッパでは、悪魔たちが
本当に幸福な結婚なんて存在するのか?
という議論が行われたが、この議論には決着がつかなかった。
そこで、真偽を確かめるためにベルフェゴールが、「幸福な結婚の実在」を地上に赴いて探した伝説がある。
人間の姿に変身して複数の夫婦の結婚生活を観察したベルフェゴール。
彼は夫婦間の不幸や、お互いを裏切りあう男女の醜さを目撃し、彼はこう結論付けた。
「幸福な結婚なんてものはない。全て根も葉もない話である。」
このことから、「幸福な結婚などないので、探しても無意味である」という解釈から、
「実現するはずがない計画」を揶揄する慣用句として
ベルフェゴールの探求
という言葉が作られた。
ベルフェゴール素数の元
ベルフェゴール素数は回文素数ともいわれる数字のこと。
1,000,000,000,000,066,600,000,000,000,001
1030 + 666 × 1014 + 1
後ろから読んでも前から読んでも同じ数字。
素数と同じ性質を持ち、1と自分以外の数字では割り切れない。
数字の中心に登場する「666」と「両端の13個の0」。
こういった悪魔のシンボルが含まれており、神話というよりかは迷信的な数字。
まとめ: 7大悪魔の1柱「ベルフェゴール」
今回は7大悪魔の1柱「ベルフェゴール」について紹介させていただきました。
便器の絵は比較的最近の絵であり、妖艶な美女で描かれる方は聖書の事件を彷彿させる絵。
なぜここまで差が出るのか・・・・。
という訳で今回のまとめ
- ベルフェゴールは聖書の悪魔
- 怠惰、好色を司る
- 元々は古代モアブの神様
- キリスト教に取り入れられ、悪魔にされた
- 24000人の命が失った「ぺオルの事件」を引き起こした
- 女性の心に性的な不道徳を芽生えさせる1
- ありえない計画を皮肉る「ベルフェゴールの探究」
- ベルフェゴール素数の名前の由来
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