今回お話するのは
不死身?の騎士
ベルシラック
です。
こんな騎士がいたら、絶対に勝てないし勝負を挑みたくもない。
ベルシラックとは?
ベルシラックはアーサー王伝説における騎士の一人。
ガウェイン卿と縁の深い騎士で、「緑の騎士」という異名を持ちます。
~ベルシラックのプロフィール~
- 欧文表記: Bercilak
- 異名: Green Knight
- 異名(和訳): 緑の騎士
- 出典: ガウェイン卿と緑の騎士(14世紀)
円卓の騎士というわけではなく、アーサー王に試練を与える騎士として登場しているみたいです。
ベルシラック: 「緑の騎士」
この騎士は緑一色の外見なので、「緑の騎士」と呼ばれています。
ロビン・フッドに近い外見をしていますが、
- 巨人と見間違う程の立派な体格
- 肘まで伸びる髪の毛
- 胸元まで伸びる髭
- 前髪は顔の半分を隠している
という外見をしており、「片手にヒイラギの杖」、「片手に1mを超える巨大な戦斧」を持った一般的な騎士のイメージからかけ離れている騎士です。
ベルシラック: 「首切りゲーム」
アーサー王と円卓の騎士のクリスマスパーティの時、会場にベルシラックが現れました。
そして、その会場にいた人たちに「首切りゲーム」を持ちかけました。
~首切りゲーム~
ゲームルールはいたって簡単。
ゲームの参加者は緑の騎士の首を切り落としていい。
もし、緑の騎士が無事であれば次は緑の騎士が相手の首を切り落とす
というルールであった。
そのゲームに名乗り上げたのが勇敢なガウェイン卿。
緑の騎士の首を切り落としたが、驚くべきことに相手の騎士は切り落とされた首を拾いあげました。
そして、「次は自分がお前の首を切り落とす。1年後に会いに来い」と言い残して帰った。
ベルシラック: ガウェインと死なない仕組み
そして、事件の1年後にガウェインは確定している死の恐怖を乗り越え、緑の騎士に会いに行きました。
ガウェインは緑の騎士に対して自分の首を潔く差し出しました。
だが、緑の騎士はガウェインの首にかすり傷を負わせるだけの寸止めで止めました。
そして、ガウェインの勇気を讃えました。
実は、ベルシラックは魔法で姿を変えていて、首を落とされても死なないという力を与えられていました。
その上で、アーサー王の騎士の勇気を試す役割を果たしていたのです。
ベルシラック: ケルト神話からの流用
そして、この首切りゲームという話はガウェイン卿の物語が原典ではないといわれています。
その原点は「クー・フーリンの伝説: アルスター神話」といわれ、この神話に同じような話が見られます。
つまり、この物語を後世に作者がガウェインと緑の騎士に組み込んだと考えられています。
日本でも同じような話があった気もしますが、気のせいでしょうか・・・・。
まとめ: ベルシラックはこんな円卓の騎士
今回はアーサー王伝説の騎士ベルシラックについて紹介させていただきました。
首を切っても死なない騎士とか初見だと腰を絶対に抜かしてしまいますね。
それに対し、ガウェインも死ぬと分かっていても恐怖を乗り越える。(やはり騎士の鏡ですね。)
という訳で今回のまとめ
- ベルシラックはアーサー王伝説の騎士
- 全身が緑一色なので「緑の騎士」という異名を持つ
- 巨人並みの体格に、巨大な斧を持っている
- アーサー王の騎士に「首切りゲーム」を持ちかける
- ガウェイン卿がベルシラックの首を切り落としたが死ななかった
- 今度はガウェイン卿の首を切り落とす番であったが、ベルシラックはその勇気を讃えて切り落とさなかった
- 魔法で首が落ちても死なないようにされていた
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