今回紹介するのは
彼女の危機=世界の危機
ブーミ
です。
インド神話に興味がある人はぜひ読んでみてください。
[スポンサーリンク]インド神話のブーミとは?
ブーミは「プラーナ時代」以降における女神さまの一人です。
~ブーミのプロフィール~
- 名前の意味: 「大地」
- 異名: 母なる地球
- 夫: ヴィシュヌ
- 出典: プラーナ文献
地球を支えている女神?
インドの地球でよくみられるイラストは「亀の上に象がいて、世界を支えている」といった感じです。
このイラストは僕たちもよく見るものですが、この女神ブーミも同じく世界の大地を支えている女神。
この辺りの関係性は気になりますが、「ブーミ=象」という訳でもなさそうです。
インドの世界に対する概念として「何かが支えている」というものなのかもしれません。
ブーミはマハーバーラタの始まりの女神
女神ブーミは英雄物語「マハーバーラタ」にその物語が描かれています。
そこでは、彼女の危機と物語の始まりを見ることが出来ます。
~女神ブーミと世界の危機~
「クリタ・ユガ」という昔の時代・・・・生物の寿命は今よりも長く、大地にはありとあらゆる生き物で溢れていた。
だが、この過密状態は大地を下で支えていたブーミにとってはしんどい状態であった。
そこに、神々との戦いに敗北した悪魔たちが天界から地上に降りてきてしまった。
悪魔は人間や他の生き物に姿を変えてしまい、地上のあらゆる場所で暴れ始めてしまった。
元々、数多き生き物が生息していた地上に、悪魔が大量に加わったことにより、ブーミへの負担は増大。
さらに、暴れ始めた悪魔に痛めつけられてしまい、ブーミは
「このままでは大地を支えきれず、天地が崩れてしまう」
と創造神のブラフマーに訴えかけた。
それを受けたブラフマーは神々に対して
「大地の重みを取り除くため、それぞれの分身によって地上に子を作りなさい」
と命じ、すべての神が地上に分身を降下させた。
その結果として生まれた英雄たちが、マハーバーラタに登場し、活躍していった。
ブラフマーはおそらく悪魔たちを打ち倒し、大地を軽くしようとしたんでしょう。
物語としては壮大な導入。
[スポンサーリンク]拗ねるブーミのお話
この前に紹介した物語では彼女の危機でした。
ですが、その一方でブーミが「人間には大地の恵みを絶対に与えない」としていた時期があるという物語もあります。
~へそ曲げブーミ~
ブーミはかつて、「人間に対して大地の恵みを与えない」と決めていた。
このことに対し、維持神のヴィシュヌが姿を化身していた「プリトゥ」という人間が怒った。
そこで、彼が弓矢を大地に打ち込むと、ブーミは牛の姿に変えて逃げ出した。
プリトゥが追いかけて捕まえたところ、
「子牛の乳を与えてくれたら、引き換えに大地の恵みを与えよう」
と話したので、プリトゥがその望みを叶えた。
その結果ブーミは乳を出し、「ブーミの乳」、すなわち人間が食べるための野菜や穀物が大地から生じるようになった。
まとめ: ブーミはこんな女神
今回は僕たちが住んでいる大地を司る女神ブーミを紹介させていただきました。
世界を支えている女神様なので、僕たちは地球を常に大事にしていかないといけませんね・・・・。
という訳で今回のまとめ
- ブーミは地球を支えているインド神話の女神
- 悪魔が地上に沢山降りてきたので危機に陥った
- ブラフマーの命令で神たちが地上に降りて分身を作った(マハーバーラタの始まり)
- 人間に大地の恵みを与えないへそ曲げの時期があった
- 怒られて捕まえられたので交渉して人間に恵みを与えた