今回紹介させていただくのは
男性神の影の女神
ネベトヘテペト
です。
ネベトヘテペトとは?
ネベトヘテペトはエジプト神話の中で、最も古いとされる「ヘリオポリス神話」に登場する女神。
~ネベトヘテペトのプロフィール~
- エジプト名: ヘテベト
- 名前の意味1: 供物の女王
- 名前の意味2: 満足の女王
- 信仰地域: ヘリオポリス
創造神アトゥム
ネベトヘテペトを話すうえで大事なのは、創造神アトゥム。
この神は宇宙創世神話時代に登場、大事な仕事をこなした重要な神様。
仕事というのは、「世界で最初の神を作り出した」ことである。
世界はかつて原初の水で満たされていた。
その水で作られた混沌の海が世界に広がっていた。
アトゥムはその世界で自分の子供を次々と作り出した。
その結果、大気の男神のシュウ、湿気の女神のテフヌトが誕生した。
ただ、子供を作り出した方法は特殊なものであった。
普通なら夫婦の営みで子供は作られるが、アトゥムはたった一柱で子供を作り出したのであった。
アトゥムの一部から作られた女神
上記の内容では、どこをどう見ても「ネベトヘテペト」の名前は出てこない。
ただ、事実ネベトヘテペトはアトゥムから誕生した女神。
正確には、「アトゥムの体の一部から作られた女神」というべき存在である。
アトゥムは世界に妻がおらず、仕方なく「自分の女性部分を切り取って、女神を作って結婚をする」という方法を取った。
アトゥムは「両性具有」の存在であり、「女性器」を切り取ることで、女性を作り出したのであった。
「自分の対となる存在」を作り上げた「女神ネベトヘテペト」に興奮し、アトゥムは自分の子供を作ったのであった。
流石、神話はぶっ飛んだ話が多いと思いますが、このお話はその中でも特にぶっ飛んでいますね。
「ヘテペトの手」
アトゥムとネベトヘテペトの関係はお話によって、少し変わったりします。
そもそも、彼女は上記のお話を論理的に説明する為に作られた概念という見方がある。
「両性具有の女性部分を切り取り、伴侶とした」
という部分はやはり、無理があるのではとのこと。
神話の世界で何を言っているのかと言いたいが、確かに納得はできる。
また、違うお話では
アトゥムの手のみが女性となっており、その手で陰部をまさぐり興奮した。
というのもあり、もっとぶっ飛んでいると思えるお話がある。
ちなみに、この時のお話では「右手が恋人」を意味する「ヘテペトの手」と呼ばれる
まとめ: ネベトヘテペトはこんな女神
今回はネベトヘテペトについて紹介せていただきました。
色々な神話を見てきましたが、自分の女性器の部分を切り離し、そして子供を作る。
夫婦関連のお話でここまでぶっ飛んでるのは、そうそうないですね。
ケルト神話に「魔法で一夜で妊娠から出産を終える」というお話がありますが、それよりも衝撃が強いです・・・・。
という訳で今回のまとめ。
- ネベトヘテペトはエジプト神話の女神
- 創造神アトゥムの影の部分が女性となった
- アトゥムの女性器の部分が女神となった
- 「ヘテペトの手」と呼ばれる場合がある
- 「ヘテペトの手」の意味は「右手が恋人」
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