今回お話するのは
何をすればいいのか?
穢れ
です。
日本ではあまり馴染みのない考えですが、概念自体は感覚として理解しやすいと思います。
インド神話の”穢れ”の考え方
インド神話では「輪廻転生からの解脱」が必要となります。
そして、この輪廻転生から解脱するには「穢れ」からその身を清める必要があります。
その為、「穢れ」に対して触れないという必要もあります。
その「穢れ」は現代人の感覚でいうところの
- 衛生的な穢れ
- 精神的な穢れ
の2つがあります。
それぞれ見ていきましょう。
物質的な穢れ
インドでは「液体が穢れを運ぶ」と考えられているので
- 体液
- 血液
- 唾液
- 汗
などとの接触は避けないといけません。
それ以外では「糞便」や「死体」も物質的な穢れとなります。
精神的な穢れ
精神的な穢れの代表的なものは
- 邪悪な行為
- 不道徳な考え
などが含まれます。
しかし、精神的な穢れも接触で伝染することがあります。
例えを一つ。
悪いことを考えると、口の中に穢れた蒸気がたまる。
なので口を清めないといけない
ということです。
つまり、やましいことを一切考えないことで穢れは回避されるといいます。
インドでは何が”穢れ”となるのか?
インドでは前述する「物質的な穢れ」や「精神的な穢れ」があります。
それ以外にも以下のものもインドでは穢れとして扱われています。
左手 | 「不浄の手」と呼ばれています。 左手は大便を拭くときに使うので穢れています。 |
皿 | 誰かの唾液がついているかもしれないという理由です。 普通は皿は使い捨ての木の葉を用います。 |
匙 | 皿と同じ理由で、スプーン等は基本使いません。 |
臭いを嗅いだもの | 鼻から出た、穢れた蒸気がついているという理由です。 |
水 | 穢れた者が使った水は穢れているので、全ての水が穢れているわけではありません。 |
女性 | 月経の血が出るので、女性は穢れた存在として定義されています。 |
外国 | 穢れに対する理解が異なる外国には、穢れが蔓延しているという考えです。 |
現代はこの辺りはある程度変わっていると思いますが、かつてはこの考えでした。
より避けるべき”穢れ”とは?
前述した”穢れ”には当然避けることで、43億2000万年後の世界の滅びから回避することができます。
ですが来世の為、さらに避けるべき穢れがあります。
そうすることで、インドのカースト制の高位の存在に生まれ変わり、輪廻の輪から解脱することができます。
- 肉食
- 玉ねぎ、にんにくなど臭いの強いもの
- 赤い食材
- バラモン教徒以外の近くによること
- 汗をかくこと(自分のでも不浄なもの)
43億2000万年の間に何度も輪廻転生するので、それから解脱するのにこれだけしないといけないので大変ということが分かります。
穢れてしまったらどうするべき?
もし穢れに振れた場合、その穢れを浄化しないといけません。
色々ありますが、
- 神の名、聖句を唱える
- 清浄な水で清める
- 焼いたり油で揚げる
それぞれ見ていきましょう。
神の名、聖句を唱える
神の名前は聖典「ヴェーダ」に掲載されている聖なる言葉を唱えます。
ただ、悪しきことを考えることで口が穢れてしまいます。
その状態で神の名や聖句を唱えると、神を穢してしまいます。
なのでその場合は先に口を清浄な水でゆすぎ、清める必要があります。
清浄な水で清める
清浄な水そのものに清めの効果があり、効果が高いのは聖なるガンジス川の水です。
近年のガンジス川は汚くてそんな感じはしませんが・・・・。
もちろん、普通の井戸でも水は清める力はあるとのことです。
しかしながら、下位カーストの者が使っている井戸は穢れているので、上位カーストの者は絶対に使ってはいけません。
焼いたり油で揚げる
食べ物は高温で調理することで清められます。
なので、「水で煮る<焼く≦油で揚げる」方がより清められます。
インドのパーティーで揚げ物が縁起物として登場するのは、そういった理由です。
まとめ: ”穢れ”はこんなもの
今回はインドにおける「穢れ」について解説させていただきました。
流石にこんな厳しい制約を守るぐらいなら、ある程度のカーストの位置で自由にしたいものです。
こんな考えの自分は絶対に解脱することはできないでしょう。
という訳で今回のまとめ
- 穢れはインド神話における最も大切な考え
- 輪廻転生の輪から解脱するのに回避しないといけない
- 物質的、精神的な穢れがある
- 左手、皿、外国、汗、邪悪な行為もその一例
- より小さい穢れを回避することで上位の存在に生まれ変わる
- 「神の名を唱える」「食べ物を油で揚げる」「清らかな水で清める」ことで穢れを払える
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