今回お話するのは
アーサー王の死
「アーサー王の最期」
です。
日本のアーサー王伝説の中で恐らく一番有名な書物の21巻の紹介です。
「アーサー王伝説」とは?
日本で一番有名なアーサー王伝説と言えば、「アーサー王がランスロットと内戦~」「モードレッドが~」とかあると思います。
実はこの「アーサー王の死」というのは、「15世紀のフランスの作者トマス・マロリー」が、
- アーサー王列王史
- キルッフとオルフェン
- マビノギオン
- 流布本
などの比較的短い文学作品を「まとめて」新しい物語にしたものです。
なので、「アーサー王の死」は「アーサー王伝説の原典」ではなく、「様々な古い書物から、アーサー王の一生を作り上げよう」といった目的で作られた本ともいえます。
この辺りはまた、細かく記しておきます。
アーサー王の死の中身
この「アーサー王の死」の中身は、大まかに分けて「21巻 507章」あります。
- 1~5巻: アーサー王の物語
- 6~12巻: 騎士たちの物語
- 13~17巻: 聖杯探索
- 18~21巻: 円卓崩壊
主にこの4つに話は分類されていきます。
基本的にどの話にもランスロットが絡んでいますが、騎士たちの物語も面白いものです。
また、トリスタンとイゾルデの物語は、この「アーサー王の死」の中で最も大きい物語で、全体の1/3を占めています。
ここでは巻のお話をいたします。
第21巻 「アーサー王の最期」
第21巻は「アーサー王伝説最後のお話」を巡るお話について15章を使って記している。
アーサー王を裏切ったのはランスロットだけでなく、円卓の騎士モードレッドも謀反を起こした。
アーサー王はすぐにランスロットとの戦いを中断し、円卓の騎士達と共にイギリスに戻った。
ドーヴァーでの戦い、バラムの丘の戦いで数多くの戦死者を出した両軍は一時休戦を結んだ。しかし、一時休戦も直ぐに破られ、ソールズベリーの戦いで両軍が壊滅。
円卓の騎士はほぼ全員が死亡し、モードレッドはアーサー王によって殺害され、アーサー王はモードレッドの手で致命傷を負った。
闘いの後、アーサー王はベディヴィアにエクスカリバーの返還を命じ、庵で最期を過ごした。
全てが終わった後、ランスロットは軍を率いてイギリスに上陸。アーサー王の最期を知り、グィネヴィア王妃を探しに回った。
今回の事件を深く悲しみ、自分の愚かさを償う為に尼として生活していたグィネヴィア王妃に再開したランスロットは喜んだが、王妃には拒絶される。
ランスロットは隠者として最期を過ごし、点に旅立つのであった。
登場人物
人物名 | 簡単な説明 |
アーサー王 | 円卓の騎士のTOP。 この物語の最後の主人公 |
モードレッド | 元円卓の騎士であり、裏切り者。 アーサー王に対し反旗を翻し謀反を仕掛けた。 |
ガウェイン | 最後までアーサー王と共に戦った円卓の騎士。 |
ランスロット | アーサー王に反旗を翻していた元円卓最強の騎士。 |
ルーカン | 最後までアーサー王の側に寄り添った円卓の騎士。 |
ベディヴィア | アーサー王亡き後、エクスカリバーを湖に還す使命を果たした円卓の騎士。 |
グィネヴィア王妃 | ランスロットの恋人で、アーサー王の妻。 今回の事件で深く悲しみ、尼として過ごす。 |
コンスタンティン | 円卓の騎士が崩壊後、イングランドを統治した気高い騎士。 |
物語の見どころ
悲しくも、自分を裏切ったのはランスロットだけではなく息子モードレッドもだった。
1巻でマーリンは円卓の騎士が崩壊するのは5月1日生まれの子供であると予言していたが、モードレッドが正にその子供であったという。
そんなモードレッドを討伐する為に、アーサー王は大軍を率いて再び進軍する。
アーサー王伝説の終わりは、ハッピーエンドではなくバッドエンドと言える終わり方を迎えます。
殆どの人が知っている結末なのですが、どうやって円卓の騎士達は終わりを迎えたのか。
盛者必衰の理というのをその目で見届けないといけません。
また、内戦後のブリテンの混乱や、ランスロットとグィネヴィア王妃の禁断の恋の最後はどうなったのか。
悲しいところですが、その分余韻が凄まじかったです。
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