【アーサー王伝説】第21巻13章
エクターが喜びの城で多くの人々が涙を流しながら讃美歌を歌っているのを見た。
ボース卿はエクターに気が付き、兄であるランスロットが横たわっていることを聞いた。
兄の顔を見たエクターは悲しみのあまり気を失って倒れてしまった。
意識を取り戻したエクターは兄の偉大さを讃え、酷く嘆き悲しみ、15日の間、熱心に祈りを捧げるのであった。
さて、カド―卿の息子コンスタンティンがイングランドの王に選ばれ、国を治めた。
カンタベリー司教は復帰したが、ベディヴィアは隠者として、死ぬまで庵で過ごすのであった。
その一方、ランスロット側の騎士達は、領土に戻り、聖職者として余生を過ごしていくのであった。
ただ、フランスの本ではボース、ブラモー、エクター、ブレオベリスの4人の騎士は、自分の領地の秩序を確立させ、イエス・キリストの誕生の血であり、亡くなったという聖地に向かった。
そして、ランスロットの生前の遺言に従い、異教徒のトルコ人と戦い、全員が聖金曜日に死んだとのこと。
この最後の物語をもって、気高いアーサー王率いる140人にも及ぶ円卓の騎士達の物語は終わる。
主な登場人物
【登場人物】
・ ランスロット
・ エクター・ド・マリス
・ ボース
・ コンスタンティン
物語の感想
ついに、アーサー王の物語は終幕します。
といっても、この章は生き残った円卓の騎士達のその後を簡単にまとめた章になる。
アーサー王亡き後、イングランドを納めたのは誰か?ランスロットの騎士達が、イエス・キリストの聖地に向かい、異教徒と戦ったとお話が記されている。
この戦いはランスロットの遺言に従ったという話で、聖地回復の為にトルコと戦いに向かったとか。
ただ、トルコで戦ったという話はフランスの書物でのお話で、イギリスの書物ではランスロットの騎士達は自国で聖者として余生を過ごしたとかなんとか・・・・。
出典: トマス・マロリー「アーサー王物語 5(筑摩書房)」
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