【アーサー王伝説】第21巻2章 ガウェインの死
だが、勇猛果敢なアーサー王の軍勢により、モードレッド軍は敗走したのであった。
上陸した後、負傷した兵士を調べていると、ガウェイン卿が瀕死の状態であることが分かった。
アーサー王は3度気を失う程の悲しみに襲われた。
ガウェインは以下のように打ち明けた。
「今日の傷はランスロットとの一騎打ちで受けたもので、今日の正午までにはこの世をさります。ですから、ランスロット卿に手紙を書きたいのです。」
そうして、ガウェインはランスロットに、グィネヴィア王妃、自分が死ぬこと、アーサー王に援軍を送ってほしいことなどを記した手紙を書いた。
手紙を書き終えたガウェインは正午に死亡し、ドーヴァー城の礼拝堂に埋葬された。
その後、モードレッドの軍がバラムの丘で待ち構えているということを知ったアーサー王は、翌朝に出陣。
両陣営ともに多くの死者を出したが、モードレッドはカンタベリーへ敗走するのであった。
主な登場人物
物語の感想
ドーヴァー海峡の戦いでもあり、記載には「船に乗って両軍繰り出した」とあるので、海戦ですね。
そして、アーサー王の主な物語はアーサー王の死の前半で一応終えたとはいえ、その強さは健在。
モードデッド側の騎士が誰も止めれなかったという話がある以上、やはりアーサー王の強さはタイトルの名前を冠しているだけあります。
ただ、上陸後ガウェインは船の中で倒れているということがあります。
船の中で戦っていたとみられ、ランスロットから受けた傷を再度打たれて致命傷を負ったそうです。
ガウェインもランスロットもアーサー王にとってこの世の一番の喜びと記載があるほど、大事な人です。また、ガウェインにとってもランスロットは素晴らしい騎士と言い、死の間際まで和解しなかったことを後悔しております。
最期はランスロットに王の元に馳せ参じてほしいと一筆残し、5月10日の正午に亡くなったという。
そして、ドーヴァー城の礼拝堂に遺体は祀られており、彼の頭蓋骨とランスロットから受けた傷を見ることが出来るとか。(頭部に傷を受け、そこを攻撃されたので死亡したということです。)
出典: トマス・マロリー「アーサー王物語 5(筑摩書房)」
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