【アーサー王伝説】第21巻4章「モードレッド卿の死亡」の物語

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【アーサー王伝説】第21巻4章 モードレッドの死亡

【アーサー王伝説】第21巻4章


休戦協定が決まった両軍は中間地帯で会見を行うこととなった。
両者ともに14人の付き人を連れて、会見場に向かった。
だが、王もモードレッドも互いに信頼をしておらず、
「誰かが剣を抜いたら、相手を両軍で全力で殺すのだ」
と会見前に言っていた。

そして、和解は一応の成立となり、お互いにワインで乾杯をしていた。
すると、幸か不幸か一匹のマムシが茂みから現れて、一人の騎士の足に噛みついた。
その騎士は、まったく意図せず剣を抜いてしまったのであった。
これが切っ掛けとなり、両軍はお互いに進軍の準備を行い、和解は一瞬で終わりを迎えたのであった。

両軍は激しくぶつかり合い、夜になるまでの間、夥しい数の戦死者を出していった。
気が付くと、アーサー王の側にはベディヴィアとルーカンしか生き残っておらず、2人とも重傷であった。
モードレッド側は誰一人残っておらず、モードレッドだけが剣によりかかるように立っているだけであった。

アーサー王は好機と思い、ルーカンの静止を振り切り、両手に槍を持ち、モードレッドを盾の下から刺突した。
モードレッドはアーサー王の側頭部を剣で強打した。
アーサー王は気を失い、モードレッドはそのまま息絶えたのであった。


ルーカンは残された戦場で悲惨な光景を見た。
追剥や強盗が死体や、生き残った騎士達から宝石類を盗んでいた。
まだ息のある者はその場で殺害されるという、見るに堪えない地獄であった。
そこで、2人は王を安全な場所に運ぶことにした。

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主な登場人物

アーサー王伝説:登場騎士達
  1.  アーサー王
  2.  ベディヴィア
  3.  ルーカン
  4.  モードレッド


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物語の感想

ついに、モードレッドとアーサー王の最後の戦いが始まります。

休戦協定を祝った祝宴会で、お互いに「剣を少しでも抜いたら相手を殺せ。信じていないからな」と考えておりました。

その中で、たまたまマムシが現れ、一人の騎士を噛み、マムシを殺そうと他意もなく剣を抜いたことで休戦協定は瓦解。

歴史上類を観ない悲惨な戦いになり、両軍ともに全滅。

10万人程が死亡し、アーサー王側はルーカンとベディヴィアのみで、モードレッドはたった一人しかいなかった。


モードレッドは不吉な人と形容され、この日は見逃せばいいとアーサー王は諭された。

神によって守れらていたアーサー王も、この忠告を無視するということは不吉なことが起きることが言われていたからである。

しかし、アーサー王派怒りのあまりその忠告を無視してモードレッドを殺害しようとした。

結局モードレッドは死亡したが、アーサー王も致命傷を受けたという。

その後、戦場では追剥や強盗が騎士の死体から宝石などを奪っていた(死んでいない騎士達はその場で殺害された)。

人々から信頼され尊敬されていた騎士達は死んでも敬われたりしていますが、この時の人々にとっては騎士は信頼の対象ではなく、騎士の身につけているものにしか信頼がないという悲しい場面です。

出典: トマス・マロリー「アーサー王物語 5(筑摩書房)

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