今回紹介させていただくのは
兵士の心の支え
コウェンティナ
です。
ケルト神話に興味がある方はぜひ一読してみてください。
ケルト神話のコウェンティナとは?

コウェンティナはケルト神話における女神の1柱です。
様々な兵士や人間から祈られた女神でもあります。
~コウェンティナのプロフィール~
- 欧文表記: Conventina
- 敬称1: 女神
- 敬称2: 聖なる女神
- 敬称3: 帝妃(アウグスタ)
- 敬称4: 精霊(ニンフ)
- 敬称5: 女神精霊
- 出典: イングランドのカローバラの出土品
唯一の遺物?
カローバラの泉で発見された石造りの「絵馬」が出土しています。
この絵馬にはコウェンティナの名前と姿が両方刻まれています。
この絵馬が唯一の遺物です。
コウェンティナ: 精霊?神?

女神の姿は出土した唯一の絵馬に描かれています。
その姿は女神とも精霊ともいえます。
- 腰布だけ
- 胸やへそをあらわに
- 波か睡蓮の葉にその身を預ける
- 片手に水瓶を持つ
- 恵みの水を大地や川に注ぐ
- 反対側の手に「成長」を意味する若枝のような植物
この姿で描かれています。
その他の碑文に書かれた敬称通り、精霊であり女神でもあることが伺えます。
コウェンティナ: 兵士たちの癒しと神殿

古代ローマのイングランド北部では軍神ミトラスだけでなく、女神コウェンティナにも祈りを捧げていました。
この部分と神殿のお話があります。
~守りの壁の中の神殿~
2世紀、ローマ皇帝ハドリアヌスは、帝国の北限をイングランドと定めた。
そこで、スコットランドからの侵入を防ぐために長城を建設。
その中にコウェンティナの神殿を組み込ませ、水の精霊の為の神殿ニンファエウムも併設された。
兵士たちはその神殿で、自分の命や戦いの勝利、故郷で待つ家族に対して命を捧げ、心の拠り所にした。
この城はノーサンバーランド州カローバラで、神殿の中心には泉がある。
この遺跡は1876年に発見され、この泉からはコウェンティナへの「石造りの絵馬」が14枚(1枚はミネルヴァへの絵馬)発見。
そして、ニンファエウムでは3体のニンフ像が発見。
1体はコウェンティナ自身とされ、2体は部下であるといわれています。
コウェンティナ: 信仰地は不明?

そんな兵士たちから祈り続けられたコウェンティナ。
つまり、イングランドが信仰地・・・・と思われますが、ここは不明といわれています。
というのも、カローバラで発見された絵馬には
- オランダからベルギーの北海湾岸の部隊
- ドイツおよびその周辺出身者
- ドイツ西端クサンテン出身者
からの祈りが混在しています。
その他にも
- フランス南西部ナルボンヌ
- スペイン北西部ガリシア
などでも奉納物が見つかっています。
つまり、イングランドがコウェンティナ信仰発祥の地というのは必ずしも正しくありません。
女神の信仰の起源がどこなのかを特定するのは困難といわれています。
まとめ: コウェンティナはこんな女神様

今回はケルト神話において最も有名な女神コウェンティナについて紹介せていただきました。
戦場で戦いの女神だけでなく、癒しの女神というのはやはり必要ですね。
兵士からすれば最も重要な女神さまですね。
というわけで今回のまとめ
- コウェンティナはケルト神話における女神
- 精霊や女神両方の敬称がある
- イングランド北部にコウェンティナの神殿がある
- 女神に捧げる14枚の絵馬が発見
- 様々な国の出身者や地方でコウェンティナへの信仰証拠がある
- 上の理由でコウェンティナ信仰の発祥地は特定が困難