今回紹介するのは
生きる幼い女神
クマリ
です。
インド神話に興味がある人はぜひ読んでみてください。
インド神話のクマリとは?
カドルーは「プラーナ時代」以降における女神さまの一人です。
~クマリのプロフィール~
- 別名: クマリ・デーヴィー
- 名前の意味: 少女の派生形
- 別表記: クマーリー
- 異名: ロイヤル・クマリ
- ヴァ―ハナ: 孔雀
- 出典: ネパールの伝統文化
一柱だけではない存在
クマリは一人という存在ではなく、各地の地方ごとにクマリが存在しています。
そのクマリの中でも序列が存在し、最高位といわれているクマリは「ロイヤル・クマリ」と呼ばれます。
そして、ネパールの首都のカトマンズにある「クマリの館」に住みます。
クマリは生きた女神
先ほどクマリの意味は「少女の派生形」としていますが、ネパールという国には「生きた女神」の伝統があります。
ネパールに住んでいるネワル族の文化にこの「クマリ」を生み出す儀式があります。
小さい少女を「女神」として祭り上げる・・・・それが「生きた女神:クマリ」です。
クマリに選ばれる条件は何なのか?
クマリに選ばれる条件は32以上の条件があり、それに適合した少女が女神クマリに選ばれます。
その条件の一部は
- 美しい歯
- 繊細な手足
- 切り落とされた動物の頭が並んだ暗い部屋に閉じ込められても動じない精神の持ち主
などがあります。
ですが、さらにその上の「ロイヤル・クマリ」と呼ばれるには、さらなる厳しい条件があります。
- 首都カトマンズに三代以上住む仏教徒の家系
- 金銀細工師のカースト
- 初潮を迎える前の少女
クマリに選ばれたうえで、上の3つの条件を同時に満たした少女のみロイヤル・クマリになります。
今はここまで厳しい条件かは分かりませんが、少なくとも32の条件は必要です。
今でも残るクマリ襲名儀式
実際、クマリに選ばれるという儀式は今でも残っており、今でも儀式は行われています。
VICE Japanにそのクマリに選ばれた少女に関する動画があり、見てみるとやはり「32の条件を満たす少女」が選ばれています。
かつては女王がそのクマリを選んでいたとされていますが、今はヒンドゥー教や仏教のお偉いさんが決めているとのこと。
クマリに選ばれた少女はどうなるのか?
まず、クマリに選ばれるのは栄誉あることですが、選ばれた少女は初潮を迎えるまで以下のことを守らないといけません。
- 地面に足を付けていけない(家から外に出てはならない)
- 家族以外との会話は禁止
- 人々の前に出る時は「深紅の衣装に蛇の首飾り」「額にシヴァの印である第三の眼を描く」
こうした規則を守り、「人々から崇拝」されていきます。
初潮を迎えると、クマリとしての神性がなくなるので、新しいクマリに代替わりするそうです。
もちろん、以前クマリだった少女は元の少女として普通の生活に戻ります。
しかし、本人が望まなくとも5歳ごろから下手をすれば6年近く、外の世界と接触を断つことになっています。
その間、家族が支えてあげないとクマリでなくなった時、その子は悲しい生活を送ることになります。
動画では、2人のクマリと元クマリの女の方が登場しており、彼女たちの心情なども知ることが出来ます。
まとめ: クマリはこんな女神
今回はクマリ、「生きた女神」というちょっと変わった女神を紹介しました。
こういった風習はその土地、国、歴史毎に生まれてきた文化なので、頭ごなしに「可愛そうだからそんな風習を無くせ!!」というのは早計です。
管理人は基本的に、「何故その文化・風習があるのか?そこに携わっている人はどう思っているのか」を先に知ります。そうすれば見方も変わるでしょう。
という訳で今回のまとめ
- クマリはインド神話における女神の一柱
- ネパールのネワル族に伝わる女神様
- 初潮を迎える前の32の条件を満たす少女がクマリに選ばれる
- 今なお残る風習で、3つの都市にそれぞれクマリが存在
- 最高位のクマリは「ロイヤル・クマリ」と呼ばれる