今回お話するのは
アイルランドの強き騎士
マーハウス
です。
マーハウスとは?
マーハウスはアーサー王伝説における円卓の騎士の一人。
アイルランド王妃の弟でもあり、トリスタンにとっても関係が深い騎士です。
~マーハウスのプロフィール~
- 欧文表記: Marhaus
- 別表記1: モルオルト
- 別表記2: マロース
- 別表記3: モロルト
- 初登場: キャクストン版第4巻17章
- アーサー王の即位と欧州統一
- 円卓の騎士の冒険とロマンス
などに登場しています。
マーハウス: ガウェインよりも強い円卓の騎士
マーハウスはこの物語において、何人もの円卓の騎士と出会います。
そしてその度に決闘を行い、打ち負かしていった強き騎士です。
その中で有名な話は、「ガウェインとの馬上槍試合」です。
午前中は力が増し、3倍の力を発揮するガウェインに対し、日が落ちるまで打ち合いを続けたほど。
これほどの勇猛さを示したことで、「ガウェインよりもマーハウスの方が強い」と記述されています。
マーハウス: 徳が高い騎士
強い騎士は礼節も備わっており、まさに騎士ともいえる模範です。
マーハウスもそういったエピソードがあります。
~ちゃっかりした騎士~
マーハウスはある日、伯爵に依頼されて巨人を倒した。
討伐後、伯爵に感謝されてそのお礼に
「領地を半分、あなたに与えましょう」
と言われたが、マーハウスは受け取らなかった。
まさに騎士の鏡ともいえるかと思いきや、巨人が蓄えていた財宝はちゃっかりと獲得していた。
その財宝のおかげで、生活には困らなかったという。
また、物語内において、マーハウスは「女性が嫌い」とも受け取れる言動をとっています。
実はこの理由は「騎士を惑わす魔女が嫌い」なだけ。
善良な貴婦人に対してはしっかりと敬意を払う騎士の鏡です。
トリスタンとの決闘
マーハウスはアイルランド王妃の弟で、トリスタンの恋人「イゾルデ」の叔父にあたる方。
ですが、マーハウスとトリスタンはある戦いにおいて決闘をしています。
~トリスタンとの決闘~
アイルランドとコーンウォールの間に紛争が発生。
マーハウスはアイルランド代表として決闘を行うことに。
決闘の相手はコーンウォールの代表「トリスタン」。
決闘を行う際、マーハウスは毒を塗った剣を使用。
トリスタンに重傷を負わせたが、決闘には敗北。
マーハウスは決闘の時の怪我が原因で、アイルランドへの帰還後に死亡した。
その後、トリスタンが円卓の騎士に任命された際、マーハウスの席に座ったという話。
マーハウス: 卑怯な脇役
前述した物語は「アーサー王物語」におけるお話。
実際はウェールズの伝承「トリスタンとイゾルデ」から取り込まれたお話。
この物語の序盤でも、マーハウスは「トリスタンと決闘」を行っています。
その際、毒を塗った剣を利用し、トリスタン卿に重傷を負わせるが敗北。
アイルランドに帰還して死亡するという典型的なやられ役となる。
巨人を倒したり、ガウェインに打ち勝つという話はないです。
ただ、マーハウスはアイルランドの王族であり、トリスタンの恋人イゾルデの叔父であった騎士。
騎士の死が後々、この物語において色々と障害になっていきます。
まとめ: マーハウスはこんな円卓の騎士
今回は円卓の騎士の一人マーハウスについて紹介させていただきました。
徳が高いと言われていますが、冒険で得た財宝は自分のモノにするなど本当に徳が高いのか分かりにくい騎士です。
という訳で今回のまとめ
- マーハウスは円卓の騎士の一人
- トリスタンの恋人イゾルデの叔父
- ガウェインよりも強い円卓の騎士
- 巨人を倒し、その財宝をちゃっかりいただく
- 褒美をもらおうとはしない「徳の高い騎士」
- 善良な貴婦人には敬意を払う騎士の鏡
- トリスタンとの決闘で敗北し、そのまま死去
コメント