今回紹介するのは
皆の女神様
マータンギー
です。
インド神話に興味がある人はぜひ読んでみてください。
マータンギーとは?
マータンギーはインド神話における女神さまの一人。
古い時代の破壊神シヴァ神の妻であり、その他基本的なプロフィールは以下の通り。
~マータンギーのプロフィール~
- 名前の意味: 「メスのゾウ」
- 別名: ラ―ジャ・マータンギー
- 夫: シヴァ
- 出典: 古代不可触民の信仰(諸説あり)
インドの身分階級
インドにおける身分制度は「カースト制度」。
司祭・軍人・職人・労働者階級などの階級に分けられ、階級の違う人同士は食事をすることさえできない。
階級は生まれ変わった時の「穢れ」の量によって変わります。
【インド神話】インダス文明を生んだインドの神話の基本を解説!!
マータンギーの外見は?
マータンギーは10柱の女神で構成された「マハーヴィディヤー」の9番目に位置している女神で、シヴァ神の妻にあたる。
- 話術
- 音楽
- 芸術
- 知識
などにおける守護神で、腕の本数は2本以上あります。
それぞれの手に持つものは2パターンぐらいあり、
- 「ウチシタ・マータンギー」: エメラルド色の肌、剣、牛追い棒、投げ輪、棍棒
- 「ラ―ジャ・マータンギー」: ヴィーナという楽器、オウム
それぞれの場合で現れてくることがあるそうです。
マータンギーを信仰している方
彼女を信仰しているのは幅広い人たちで、特にインドのカースト制度における「不可触民」という方たちが主です。
というのも、この「不可触民」はいわゆる「被差別階級」という、「”穢れた”仕事に従事」しており、人間扱いさえされない方たちでした。
こういった方たちは、寺院へ入れないばかりか、神に祈りを捧げるとすら許されていませんでした。
(穢れている人間が聖なるところに近づくことすら許されなかったという理由ですね。)
ですが、マータンギーは「穢れ」を嫌がらないという性格です。
死体の上に座って美しく優しいほほえみを浮かべるどころか、「”穢れている”と思われている残飯」を、神への神聖な供物として受け取ってくれます。
なので、マータンギーは「不可触民」からの信仰が厚い女神様なんです。
彼らにとっての「穢れ」の仕事とは?
インドにおける「穢れ」とされている仕事は複数あります。
「ゴミ掃除」、「死体処理」、「家畜の屠殺」、「お肉の加工」などがこれに該当します。
基本的に全ての人がやりたがらない仕事がこういった「穢れに触れる仕事」と定義されています。
今の日本では当たり前の「ゴミ清掃」などがインドでは穢れの仕事です。
不衛生と思われ、やりたくない仕事をしてくれている人を「穢れた人間」とするのは今の日本では絶対にありえないですね。
まとめ: マータンギーはこんな女神
今回は差別されている人たちにとっての救いの女神を紹介させていただきました。
どんな人たちでも救いを求めているからこそ、救済的にこういった女神さまが生れたのかもしれません。
実は、踊り手や歌い手といった方も「被差別階級」の人たちが多かったそうです。
という訳で今回のまとめ
- マータンギーはインド神話の女神
- 被差別階級の人たちが信仰していた
- 2本以上の腕を持つ
- 手に持つものは2パターンある
- シヴァ神の妻