今回お話するのは
王妃を誘拐した大罪人
メリアガーント
です。
誘拐されても、それを最終的に許してしまう王妃はどういう境遇だったんでしょう?
メリアガーントとは?
メリアガーントはアーサー王伝説における円卓の騎士の一人。
物語の初期からその姿を見せ、怪力の持ち主でもある騎士でもあります。
~メリアガーントのプロフィール~
- 欧文表記: Maleagant
- 別表記1: メリアグランス
- 別表記2: メリアガンス
- 別表記3: メレアガンス
- 初登場: キャクストン版第7巻27章
この他にも
- アーサー王の即位と欧州統一
- 円卓の騎士の冒険とロマンス
などで活躍しています。
メリアガーント: フランス出身の円卓の騎士
メリアガーントはフランスのバグデマグス王の息子という血筋。
さらには怪力の持ち主であるという、騎士としては「実力」も「身分」も十二分でした。
ただ、本人には騎士道精神が欠けていて、勝つためには手段を択ばないという傾向を持った騎士。
メリアガーントのみの可能性もあるが、その言動から周囲の騎士から批判されることも多かったといわれています。
メリアガーント: 5月の花摘み事件の首謀者
メリアガーントはアーサー王の王妃グィネヴィアに恋い焦がれ、とある大事件を引き起こしてしまいます。
それが「5月の花摘み事件」です。
「グィネヴィアがわずか10人の騎士を護衛として外出していた時、メリアガーント率いる160名の大軍が襲い掛かった」
という卑劣極まりない誘拐を行っています。
グィネヴィアの護衛の騎士は「40人の相手を倒す」という奮闘をしたが数の暴力に敗北。
倒れた騎士ともども王妃は連れ去られてしまいました。
メリアガーント: ランスロットとの決闘
王妃グィネヴィアを誘拐することに成功したメリアガーント。
ただ、誘拐した時に王妃の愛人ランスロットがいなかったことが敗因。
事態を把握したランスロットは、大軍を率いてグィネヴィアを奪還に行く。
メリアガーントは襲撃を受けて降参。
グィネヴィア王妃にメリアガーントは必死に命乞いをし、なんとか助かった。
ただ、この騒動の直後にメリアガーントはある証拠をつかんだ。
それは「ランスロットがグィネヴィア王妃と不倫している」という証拠。
それを告発しようとしたが、ランスロットに決闘裁判を挑まれて命を落としています。
その際、「ハンデ戦」という「兜、鎧の左半分を外し、左手を後ろで縛って盾を持たない」という有利な試合でランスロットに敗北しています。
ユーサー王も同じことをしている
メリアガーントはアーサー王の王妃を、軍を率いて誘拐しています。
ですが、この「女性を強引に誘拐して自分の妻にする略奪婚」は珍しくないのです。
アーサー王が「ユーサー王自身が敵対する領主を倒し、その妻イグレインを奪い、産ませた子供」だからです。
メリアガーントの行為自体は普通の行動ですが、さすがに相手が悪すぎただけです。
女性の地位
現代では「誘拐して結婚」という犯罪行為に足を突っ込んだ行動。
とはいえ、ユーサー王とイグレインの略奪婚に対し、周囲は喜びを見せています。
これは「身分の高い女性は戦利品」であるという考え方があったからです。
女性もそういった境遇の変化を受け入れ、適応することを求めれられた時代。
まとめ: メリアガーントはこんな円卓の騎士
今回は円卓の騎士のメリアガーントを紹介させていただきました。
王妃を誘拐した行為は許されませんが、ランスロット卿がいかに化け物みたいな強さであるか。
それがよくわかる騎士でもありましたね・・・・。
という訳で今回のまとめ
- メリアガーントはフランス出身の円卓の騎士
- 怪力で高貴な血筋だが勝つための卑怯な行為が多い
- アーサー王の王妃を誘拐する「5月の花摘み事件」の首謀者
- ランスロットに敗北して誘拐は失敗(なんとか命は助かっている)
- 王妃とランスロットの不倫を告発しようとした
- ランスロットに決闘を挑まれて殺害されている
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