今回お話するのは
異教徒の騎士
パロミデス
です。
異教徒の円卓の騎士という珍しい騎士です。
パロミデスとは?
パロミデスはアーサー王伝説における円卓の騎士の一人。
黒い盾、獅子の紋章が描かれた盾をトレードマークにしており、その盾を装備して数多くの武勲を挙げた騎士です。
~パロミデスのプロフィール~
- 欧文表記: Palomides、Palamedes
- 別表記1: パラミティーズ
- 別表記2: パラメデス
- 異名: 怒れるレオパード
- 初登場: キャクストン版第7巻13章
この他にも
- 円卓の騎士の冒険とロマンス
- アーサー王の死
などで活躍をしています。
サラセン人?
サラセン人はイスラム教徒とされていますが、史実のアーサーが活躍したのは6世紀ごろ。
イスラム教の開祖ムハンマドが活動を始めたのは7世紀ごろとされています。
その辺りの話から「サラセン人は黒人」という説があります。
しかし、実際は「イスラム教に圧迫されていたキリスト教徒の時代考証を無視して話に組み込んだキャラ」とされています。
パロミデス: トリスタンの恋敵
パロミデスは「アーサー王の死」において、円卓の騎士トリスタンと美しき女性イゾルデを巡る恋敵として登場しています。
そのため、トリスタンとはイゾルデを巡って何度も争っていますが、命を助けられたりするなど、共に行動をしていく内に友情めいた関係になっていきます。
ちなみにその実力はすさまじく、ガウェイン卿を含む10人の騎士を槍試合で全て打ち破るほど。
ランスロット、トリスタン、ラモラックの3人の騎士以外には殆ど負けたことがないとまでいわれています。
パロミデス: 騎士の礼節には欠ける?
騎士として礼節が必要とされていますが、パロミデスにはそれが欠けていると言われています。
登場した当初から、このパロミデスは勝つためには手段を選ばなかった。
イゾルデを誘拐し、槍試合ではランスロット卿の馬の首を刎ねるなど、騎士道に反するような行動をとっています。
ですが、その後トリスタンと一緒に行動していく内にそういった騎士道も学んで行ったりする。
貴婦人には礼を尽くしたりする人間であったりと、人格が卑しいわけではありません。
後々、武装していないトリスタンとは戦いを拒否したりするなど、初期のその行動からは考えられない成長を果たしています。
ただ、仲間になった後もイゾルデとトリスタンの関係に嫉妬して、トリスタンを殺そうとはしています。
パロミデス: 獣との戦いの末
アーサー王伝説に登場する「唸る獣」という架空の怪物。
「頭と尾が蛇」、「胴体が豹で尻はライオン」、「足は鹿」という異形の姿をしている。
この獣を追跡する為に、
- パロミデス
- ペリノ―王
- パーシヴァル
達が冒険を繰り広げました。
ですがこの冒険は失敗し、聖杯を巡る探索の物語において、パロミデスは獣によって殺害されています。
その後、この獣はガラハッドとパーシヴァルが倒しています。
パロミデス: アーサー王の死での戦い
アーサー王の物語の後半、「ランスロットとアーサー王の対立」において。
円卓の騎士がランスロット派とアーサー王派に分裂して内戦が発生。
その戦いの切っ掛けとなった「グィネヴィア王妃の死刑」の時、パロミデスはランスロットに従った24人の騎士の1人として救出。
その後もランスロット派として内戦に参戦し、アーサー王の騎士たちとの激戦に挑んでいます。
この戦いがモードレッドの介入により中断された後、パロミデスはプロヴァンスの公爵に任命されています。
まとめ: パロミデスはこんな円卓の騎士
今回は円卓の騎士の一人パロミデスについて紹介させていただきました。
恋を叶えるためには手段を選ばない。イギリスには「戦争と恋に手段を・・・」といったことわざがありますが、これを思い出しました。
という訳で今回のまとめ
- パリミデスは円卓の騎士の一人
- サラセン人という異教徒の騎士
- トリスタンとイゾルデを巡る恋敵
- 手段を選ばなかったりと騎士っぽい言動は少ない
- トリスタンと共に行動をするうちに、騎士として成長していく
- 唸る獣を追跡する冒険で、獣に殺害されている
- アーサー王の内戦ではランスロット側で戦っている
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