今回紹介するのは
夜の女神
ラートリー
です。
インド神話に興味がある人はぜひ読んでみてください。
インド神話のラートリーとは?
ラートリーはインド神話における女神の一人で「ヴェーダ時代(紀元前1000~500年頃)」に信仰を集めています。
そのプロフィールは以下の通りです。
~ラートリーの基本プロフィール~
- 夜の女神
- 名前の意味: 夜
- 妹: 暁光の女神「ウシャス」
- 出典: リグ・ヴェーダ
夫に関しては記載がないので独り身の女神なのかもしれませんね。
リグ・ヴェーダでのラートリー
闇の女神なので「闇」ではなく、「光明によりて暗黒を駆逐する」と紹介。
夜の女神ではあるが闇の女神ではないという点は注意が必要
ラートリーの外見は文献が少ない
妹のウシャスに関しては結構外見に関する記載はありますが,この姉のラートリーにはその記載が少ないです。
彼女が記されている「リグ・ヴェーダ」では「あらゆる美を身に宿した女神であり、広大な空間を満たしている」といったことがあります。
つまりどういうことか?
「夜空の星は目を表す」ということから「夜空そのものがラートリーの姿」と考えることもできます。
夜空から見上げて「あの星は綺麗だね」というのは「ラートリーの目が綺麗だね」というのと同じことです。
流石に「幾千もある星々が目」と考えるとちょっと気持ち悪いかもしれませんね。
闇の支配から世界を救ってくれる?
ではそんな闇の夜空そのものと言われるラートリーなんですが、「夜明けが暗くなると夜空が暗くなる」という現象を神話的に解釈したことをします。
それが
ラートリーは星明りで夜空を照らし
次第に輝きを失い
世界は闇に満たされる
夜明けとともにウシャスが東の空に現れて闇を打ち消す
つまり
- 夜はラートリーが世界を照らして闇から守り
- 朝になるときに妹のウシャスが闇を切り払う
このようにして闇から世界を守ることを毎日行っています。
夜という暗闇ではどんな小さな星の光でも気持ち的に救いになるんです。
そんな救いになるのがラートリーです。
ラートリーがもたらす恩恵は?
ラートリーが世界にもたらす恩恵、というよりも人々が彼女に願う恩恵があります。
ですが賛歌は1つのみです。
- 安息
ただこれだけですがどういうことか。
先ほども伝えたラートリーが夜に安全をもたらすということで闇から世界を守る。
なので人々は暗闇の中でも安心して夜を過ごす(寝る)ことができるんです。
人々を守っている正義のヒロイン的存在
このラートリーは「翼のある生き物」「足のある生き物」などが家に帰って休めることを守ります。
昔は特に夜は家であろうが外であろうが危険から人を守ることが必要になります。
この闇の世界は
- 狼の襲撃
- 泥棒の侵入
などがありますが、明るければその危険性は消えます。
その危険性を消すためにラートリーは活躍しています。
そんな彼女の活躍は正に正義のヒーロー、ヒロインといっても差し支えないでしょう。
まとめ: ラートリーはこんな女神
暁光の女神と夜の女神のラートリー。
2人で闇から世界を守る・・・・・紀元前のインドで考えると人々が暗闇を恐れてちょっとした希望に縋るのも分かりますね。
というわけで今回のまとめ
- ラートリーはインド神話の女神
- 夜の女神ともいわれる
- 夜空そのものがラートリーの姿
- 妹のウシャスは「暁光の女神」
- ウシャスと二人で夜の間、闇から世界を守る
- ラートリーは夜の星々の光を使い闇から世界を守る