今回お話しするのは
ソロモン72柱の悪魔を記した本
魔術書レメゲトン
です。
[スポンサーリンク]そもそも魔術書って何なのか?
魔術書を一言で表すと「技術書」に近いものです。
もう少し詳しく話すと「魔術の理論や方法を詳しく記載した技術書」になります。
現代では「科学」が主流で勿論信じられていますが
- 数学
- 物理学
- 化学
- 生物学
など現実世界を数式などで表し、本にまとめたのが「現代の技術書」です。
それに対して「科学」が発展していなかった昔は、「魔術」などが主流でした。
- ギリシャ哲学
- 宗教理論
- 数秘術
- 天文学
上のように「理論を積み重ねる」ものを、本にまとめたのが「魔術書」になります。
口頭での継続よりも、本にした方が明らかに残るから「魔術書」というものが生まれたわけですね。
[スポンサーリンク]レメゲトンの歴史
まず、レメゲトンというものが生まれたのは17世紀ごろになります。
ですが、その原点にある「ソロモン王関連の書物」の歴史を知っておいた方がいいでしょう。
そこで、レメゲトンが生まれるまでの17世紀までの歴史を見ていきましょう。
紀元前10世紀ごろ | ソロモン王が亡くなった後、「ソロモン王は魔術師だ」という伝承が広まりました。
この伝承などを1冊の本にまとめた本が、「ソロモンの遺訓、遺言、誓約」という魔術書です。 |
1~15世紀ごろ | 1~15世紀頃に、ソロモン王関連で出てくる魔術書は全て「偽ソロモン文書」と言われています。
(理由: 「これはソロモン王の書いた魔導書だ」と自称した本が出てきたので) |
16世紀ごろ | この頃に偽ソロモン文書の一つ「ソロモン王の鍵」という魔術書が、「カトリック教会」から読んではいけない「禁書」扱いにしました。
ですが、この行為が逆に「ソロモン王の鍵」の名声を高め、影響を受けた多くの魔術書が新たに作られました。 |
17世紀頃 | この17世紀ごろに魔導書「ゲーティア」が作成されました。
この「ゲーティア」と、その他数冊をまとめた魔導書が「レメゲトン」となります。(後述) この「ゲーティア」には「72柱の魔神」が初めて登場した魔導書でもあります。 |
上の歴史のように、ソロモン王関連の魔術書には
- 正式なソロモン王の魔術書
- 自称した「偽ソロモン文書」
の2種類があるわけですが、それ以外のソロモン王関連以外の魔術書も数多くあるので悪しからず。
[スポンサーリンク]レメゲトンを普及させた人物
そんな17世紀に生まれたレメゲトンを「英語」に翻訳し、世界中に普及させた人物がいます。
それが
- マグレガー・メイザース(1854~1918)
- アレイスター・クロウリー(1875~1947)
の2名です。
それぞれ見ていきましょう。
マグレガー・メイザース
19世紀に設立された秘密結社「黄金の夜明け団(ゴールデンドーン)」の中心人物が彼です。
この結社は「魔術の研究・実践」などでも有名です。
そんな彼は数多くある「魔術書の英語翻訳」に力を尽くしたんです。
というのも、当時の魔術書は「ラテン語」で書かれていることが多く、読みにくかったそうです。
なので、彼が多くの人間が魔術を学べるように英訳をしました。
アレイスター・クロウリー
D-graymanにも登場するアレイスター・クロウリー。
彼も同じく「黄金の夜明け団」の一員です。
メイザースとは違って、「性行為・麻薬」などを媒介にした魔術が多く、自由奔放で背徳的なものを彼は行っていました。
そんな彼は、世間から「世界最大の悪人」、「堕落の魔王」などと呼ばれていました。
ちなみに、彼はメイザースの翻訳した「レメゲトン」の疑問点などに注釈をするといった形で貢献しています。
彼ら2人のお陰で、レメゲトンは世界中に普及していくことになりました。
レメゲトンってどんな魔導書?
まず、ソロモン王関連の魔術書で代表的なのは
- ソロモンの誓約、遺言
- ソロモンの鍵
- ソロモンの小さき鍵
- ソロモンの大いなる鍵
の4つで、レメゲトンは「ソロモンの小さき鍵」に当たります。
そのレメゲトン(ソロモンの小さき鍵)は5つの魔導書
- アルス・ノウァ
- ゲーティア
- アルス・アルマデル・サロモニス
- アルス・パウリナ
- アルス・テウルギア・ゲーティア
で構成されていますので、それぞれ簡単に見ていきましょう。
アルマデルという単語の意味は現在でも詳しくは分かっていません。
アルス・ノウァ
アルス・ノヴァは「神々からソロモン王が授かった祈りの言葉」を集めた呪文書です。
本の名前は「新しき術」という意味です。
別名で、「アルス・ノートリア(名高き術)」とも呼ばれることがあります。
ゲーティア
ゲーティアはレメゲトンにおける主役である「ソロモン72柱の悪魔」を紹介した魔導書です。
彼らの名前や能力、地位に召喚方法・・・・具体的な召喚の手順。
召喚に使う魔方陣の図などが描かれています。
アルス・アルマデル・サロモニス
別名「天空と黄道十二宮の精霊召喚書」という本です。
「アルマデルの護符」という聖なる護符を使って、天使たちを使役する為の魔導書です。
ソロモン王が天使を使役したこともあり、この本に載っているのかもしれません。
【ソロモン72柱の悪魔】72体の魔人と天文学の関係性とは何なのか?
アルス・パウリナ
別名「時間と天空を支配する」そんな魔導書。
ギリシャ星座などでお世話になる「黄道十二宮」や、1日の24時間に関連付けられた天使を使役するための魔導書。
キリスト教の聖人でもある「聖パウロ」が開発したという魔術という話から、「聖パウロの術」とも言われています。
アルス・テウルギア・ゲーティア
前述した「ゲーティア」では、72柱の魔神を召喚して使役するための方法が乗っています。
それに対して、この魔術書は「人間よりも上位の霊的存在に来ていただく」・・・・そんな方法が乗っています。
この霊的存在は「善悪」両方の存在がいます。
あくまでも、「来ていただく」という・・・・・。
[スポンサーリンク]まとめ: レメゲトンはこんな魔術書
今回はソロモン72柱の悪魔を記した書物「レメゲトン」について記させていただきました。
この魔術書を読んだからといって魔法を使えるわけではないのでその点だけ注意が必要になります。
というわけで今回のまとめ
- 魔術書は「魔術の理論や技法」を詳しく乗せた技術書
- 1世紀~15世紀のソロモン王に関する魔術書は「偽ソロモン文書」
- 17世紀の「ゲーティア」を筆頭に複数の魔術書が刊行
- 19世紀に「黄金の夜明け団」の2人が普及に貢献
- メイザースが「翻訳」
- クロウリーが「注釈」
- 「レメゲトン」は5つの魔導書が1つになった魔術書
- それぞれソロモン72柱の魔神やその他降霊術が記載