今回紹介するのは
ケルト文化の守護神
ロスメルタ
です。
ケルト神話に興味がある人はぜひ一読してみてください。
ロスメルタとは?
ロスメルタはケルト神話の女神。
フランス東部からドイツ西部の古代ケルト人の住んでいた地域で信仰されていたとされる。
~ロスメルタのプロフィール~
- 欧文表記: Rosmerta
- 名前の意味: 偉大なる供給者、介護人
- 出典: フランス、ドイツ、イギリスの遺跡など
出土品では、夫である男性の神メルクリウスと一緒の姿が見られる。
ロスメルタ: 様々な守護神
ロスメルタの特徴は料理や、鍛冶など火を扱う仕事をする人間の守護神であるとされる。
また、彼女が持っている豊穣の角、果物の籠から、ケルト文化の豊かさ、繁栄、幸運を表してきた。
豊穣の神と、火の守護神としての側面も併せ持つという。
また、フランス南部ではロスメルタ単体での発掘もされている。
この場合、泉の守護者として崇められている。
総合的に、ケルト人たちが様々な出来事に対して、ロスメルタを奉っていた可能性がある。
手には夫の道具を持つ
また、ロスメルタは
- 2匹の蛇が巻き付いた使者の杖
- 金貨の入った財布
などを持っている状態の像も発見されており、これらは夫の道具と言われている。
この財布は「商売繁盛」的な意味合いがあり、杖は「治癒」的な意味合いがあるといわれている。
夫のメリクリウスの持ち物であるということを考えると、夫は商売の繁栄などを司る神様という話もでてくる。
ロスメルタ: 夫「メルクリウス」
彼女の夫である「メルクリウス」はローマの神話でも同一視される神様がいる。
それは、商人や旅人の守護神であるギリシャ神話のヘルメスである。
ギリシャ神話とケルト神話にはつながりがないように見える。
もちろん、ローマからケルトにメルクリウスという神はある意味輸入されてきたもの。
では何故なのか?異なる文化などを持つローマの神がケルト神話に取り入れられるのか?
ローマとケルトの神話
ケルトはローマと交流が深まるにつれて、お互いの信仰している神の共通点を見つけていった。
その過程で、お互いに
この神はこっちで信仰している神なのであろう
と、お互いの神をお互いの神話でも取り入れていくような形になっていった。
神話や信仰の根本的な考え方は相手の方を受け継ぐことが多いので、お互いの信仰しているメルクリウスは結構違いがある。
ただ、ケルト神話とギリシャ神話には、お互いに関係があるとみられる女神や神様が存在している。
まとめ: ロスメルタはこんな女神
今回はケルト神話の女神ロスメルタについて紹介させていただきました。
他の神話体系に組み込まれて、名前だけは同じに、役割はかなり違うというのも珍しくはないのかな?
という訳で今回のまとめ
- ロスメルタはケルト神話の女神
- 夫のメルクリウスと一緒の姿で出土する
- ケルト文化の繁栄を願った神
- 泉の守護神、火を使う者の守護神
- 夫のメルクリウスはギリシャ神話のヘルメスと同一視
- ケルトとローマの文化交流の過程で取り込まれた
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