今回お話するのは
死をもたらす堕天使
サマエル
です。
サマエルとは?
サマエルはユダヤ教において登場し、それ以降様々な文献に登場した天使。
「死を司る天使」、「赤い蛇」など、呼び名は複数ある。
~サマエル~
- 英字表記: Samael
- 別名1: サンマナエ
- 別名2: サミエル
- 名前の意味: 神の毒、毒の主
- 出典: 第三エノク書
サマエルの独特な特徴
サマエル自体謎が多く、
- ルシファーと同じ熾天使
- ローマの守護天使
- 火星の天使
- エデンの園の蛇
- サタン
など、旧約聖書では「イヴとアダムに知恵の実を食すよう唆す蛇がサマエルである」という見方もされている。
外見に関しては資料によって様々であるが、以下の特徴がある。
へそから一本の長い毛
- 毛が千切れると力を失う
- 頭に角を生やした黒い肌
- 12枚の翼
- 盲目
ドイツのオペラ「魔弾の射手」
ドイツのみならず、日本でも有名な「魔弾の射手」。
カール・マリアン・フォン・ウェーバーが作曲したオペラ。
そこに登場する悪魔「ザミエル」が、悪魔サマエルをモデルとしている話がある。
カスパールは悪魔ザミエルに、7発の魔弾の作成を依頼
最後の1発はザミエルの望む対象に当たる
マックスはある領主の元で狩りで腕を示した
最後の一発は恋人のアガーテに飛んで行った
この1発は正に「死を運ぶ」ことを象徴としており、死の天使を関するサマエルを端的に言い表していると言える。
予言者モーセとサマエル
サマエルに関する最も有名なお話は、預言者モーセとの関わりである。
天使に対して同情することとなるお話でもある。
エジプトからユダヤ人を脱出させた予言者モーセ。
彼の寿命が来た時、神は彼を迎えに行くように天使に命じた。
俗にいえば「殺せ」。
ガブリエル、ミカエルを含む数多くの天使は「高潔なるモーセを殺すことはできない」と拒否。
代わりに死の天使たるサマエルが派遣されることとなった。
サマエルは喜んでモーセを迎えに行ったが、彼の輝く顔に目が眩んでしまい、手ぶらで帰ることとなった。
盲目の天使サマエル
使命を果たせなかったサマエル。
当然神の怒りを買い、叱責され、もう一度モーセの元に向かうこととなった。
すると今度は、120歳のモーセによって杖で目をつぶされてしまう。
結局、この時も使命を果たすことは出来ず、モーセの魂を迎えに行くのは神が行った。
サマエルは目を潰されて盲目となり、さらには使命に失敗したことを責められることとなった。
この屈辱を受け、サマエルは堕天使となった。
大きな仕事を引き受けて失敗し、社長が責任を背負い、同僚たちから責められる。
こんな悲しいことがあってたまるか・・・・・・。
まとめ: 堕天使サマエル
今回は堕天使サマエルについて紹介させていただきました。
調べていく内に、サマエルとモーセの話を知りました。
この話で「モーセは天使すら返り討ちにする」という破天荒っぷりですが、神をしっかりと敬う高潔な人です。
ただ単純に「死の天使」とかが嫌いだったんじゃないでしょうか・・・・。
という訳で今回のまとめ
- サマエルは第三エノク書に登場する天使
- 名前の意味は「神の毒」
- 「サタン」「死の天使」という別名がある
- エデンの蛇と同一視される
- へそには1本の長い毛
- モーセを迎えに行くが失敗
- 目を潰され盲目の天使となる
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