今回紹介するのは
インド叙事詩におけるヒロイン
シーター
です。
インド神話に興味がある人はぜひ読んでみてください。
[スポンサーリンク]インド神話のシーターとは?
シーターは「英雄物語」における女神さまの一人です。
維持神ヴィシュヌ神の妻のラクシュミーが地上に化身した姿がシーターです。
~シーターのプロフィール~
- 名前の意味: 「田のあぜ」
- 女神: ラクシュミー
- 夫: ラーマ
- 出典: ラーマ・ヤナ
インド人の貞操観念
インドの方が今はどうか分かりませんが、神話では結構貞操観念が厳しいらしいそうです。
女性は純潔であるべきで、夫以外との性交渉を「した可能性がある」という疑惑を持たれたら「汚らわしい」とみなされてしまう。
(多分神話だけと信じておきます)
畑から産まれた?シーター
よくロシアでも「兵士は畑からとることが出来る」と言われていますが、このシーターも同じような出生です。
シーターはとある王様が地面を掘った時に土中から見つけた娘です。
この時、王は畑などに掘る「畦」を意味することから「シーター」と名前を付けて養女としています。
[スポンサーリンク]ラーマ王子との恋物語とある疑惑
シーターと言えば「ラーマ王子」との恋物語が最も有名で、英雄物語でも「一大ヒロイン」としても知られています。
そんなラーマ王子との物語もありますので見てみましょう。
~ ラーマ王子とシーター ~
維持神ヴィシュヌ神の化身であるラーマ王子と結婚したシーターは、ラークシャサ族の王ラーヴァナに誘拐される。
ラーマは彼女を救い出すために、自ら軍を率いてラーヴァナ軍に戦いを挑んだ。
最終的にラーマ軍は勝利し、シーターは無事に救出されたがとある問題が発生した。
それが、シーターの貞淑であり、ラーマは彼女を拒絶してしまった。
元々、インドは女性の純潔を尊ぶ傾向が強い国であり、妻が夫以外との性交渉を「した可能性がある」というだけで、その女性は「汚れたもの」となってしまいます。
そこでシーターは自分の身の潔白を証明するために、大衆の目の前で薪を積んで火をおこし、そこに自ら身を投じました。
嘘を付いていれば火に焼かれて死ぬ「神明裁判」だが、シーターは当然潔白なので、業火のなかでも傷1つ付いていませんでした。
やがて、火の神「アグニ」が彼女を抱き上げ、その身の潔白を神のお墨付きで証明されました。
この後、シーターはラーマはハッピーエンドを迎えたんですが、その後の結末は意外なものでした。
その後のシータの結末
この「ラーマーヤナ」が作られた辺りでは、「シーターが自分の身の潔白を証明してからのハッピーエンド」でした。
ですが、その後に追記されたであろう結末では「シーターは民衆に受け入れられず、国を追放される」というエピソードが追加されています。
神が純潔を証明したシーターに対してこういった物語を付け加えるのは、神に対する冒涜のように感じられます。
ですが、インド人の厳しい貞操観念がそこまでさせたと考えるのもできますね。
[スポンサーリンク]FGOのシータと同一人物
スマホゲーム「Fate/grand order」においては「ラーマ」と「シータ」の2人がキャラクターとして登場しています。
そこでも同じように「ラーマーヤナ」で離別した状態です。
FGOでは「同じ幸福を分かち合えない」という呪いの為、同時には召喚されないらしい。
「シーターかラーマを召喚する場合、どちらかが必ずラーマになる」という制約らしいですね。
とはいえ、第五章を見たマスター達なら分かりますが、やはり実装してほしいところです。
[スポンサーリンク]まとめ: シーターはこんな女神
今回はインド神話だけでなく、FGOにおいても登場をした「シーター」について紹介させていただきました。
死が二人を分かつまでといった言葉がありますが、彼女たちの場合は疑惑から起こった悲劇です。
FGOだけでなく、神話でも最終的には巡り合って幸せになってほしいですね・・・。
という訳で今回のまとめ
- シーターはインド神話の英雄物語における女神
- 地面を掘ったら出てきたので「畦」を意味する「シーター」と名付けられた
- ラーマの妻になったが誘拐された
- 救い出されたが、貞淑を疑われ自ら火に飛び込む
- 神が潔白を証明したので傷1つ付かなかった
- その後の追加された物語では「国外追放」をされてしまった