今回お話するのは
魔除けの石像
シーラ・ナ・ギク
です。
シーラ・ナ・ギクとは?
シーラ・ナ・ギクはケルト神話における女神、妖精の一柱。
~シーラ・ナ・ギクのプロフィール~
- 欧文表記: Sheela na Gig
- 別表記1: Shilahnegig
- 別表記2: Shekahnagig
- 初登場: アイルランドの出土品
どこからやってきたのかはよく分かっていない踊る妖精だとのこと。
色々なケルト系の言語で訳しても意味ある言葉にならず、意味や語源に関しては諸説ある。
女性器?を広げた石像
上記の写真がシーラ・ナ・ギクの像ではあるが、エイリアンにお腹を食い破られたようにしか見えない。
この像の多くはイギリスやアイルランドの城や教会、建築物に見られるとのこと。
その数は確認されているのでは
- アイルランドに101
- イギリスでは45
だという。
もちろん、ただ卑猥な目的ではなく、「死と病などの厄を避けるため」と言われている。
戸口を守る役割の呪術的なものとして、「女陰」に似た形のものを戸口や門の所に打ち付ける。
大抵は門の所を守るように、ドアや窓の上に設置される
実際、ガーゴイルなど奇妙な厄除けの像がヨーロッパ各地にあるので、似たような役目と考えられる。
シーラ・ナ・ギクの遍歴
この彫刻の正確な意味などは諸説があるらしいが、その名前の遍歴は以下のようになっている。
1781年 | イギリスの船の名前に使われ、「アイルランドの女妖精から来ている」と記録 |
1790年 | 音楽の本に「スリップ・ジグというアイルランドのステップダンス」という記述に少し載っている |
1840年 | アイルランド地形測量局の報告で、教会南西に埋まっていた像が、「シーラ・ナ・ギク」という名前で呼ばれる |
1992年 | シーラナギクという曲がリリースされた |
と、名前の語源に関しては正確な出自は不明だが、その名前の歴史自体はもっと古いとみられる。
時代背景に不都合であった像?
この像は12~19世紀に多く設置され、19世紀後半に壊され始めた。
「社会に相応しくない」という理由で、埋められ、壊さたりした。
女性器を広げるという行為自体は、「性を公開した女性」、いわば誰にでも足を開くというイメージが強かったのだろう。
女性の社会進出の機運も強くなってきたときに、このような像は社会背景的に不都合であったのだろう。
とはいえ、子宝や安産を祈るための側面もあり、卑猥な目的で設置されたものではないと信じている。
ただ、社会の流れにこの像が合わなかっただけである。
まとめ: シーラ・ナ・ギク
今回はケルト神話の女神?妖精?なシーラ・ナ・ギクを紹介させていただきました。
男性器や女性器をモチーフにして奉納したりする文化はよくありますが、まだ切り取られていないだけマシというべきなのか。
という訳で今回のまとめ
- シーラ・ナ・ギクはアイルランドの妖精?
- 12~19世紀に各地に石像が設置された
- 女性器を広げた外見の石像が多い
- 教会や城壁などの建物の入り口に設置されている
- 魔除けなどの目的で設置される
- 言葉の語源などは明らかになっていない
- 19世紀後半には社会に相応しくない理由で撤去され続けた
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