今回紹介するのは
牛と馬の産みの母
スラビ
です。
インド神話に興味がある人はぜひ読んでみてください。
インド神話のスラビとは?
スラビは「プラーナ時代」以降における女神さまの一人です。
白いメス牛のような姿をしているが、背中に翼が生えており、人間の女性の顔に角が生えた頭部を持っています。
シヴァの乗り物を生んだ神聖な女神でもあります。
~スラビのプロフィール~
- 名前の意味: 「匂いのあるもの」
- 別表記: カーマデーヌ、カーマドゥフ
- 夫: カシュヤバ
- 出典: バーガヴァタ・プラーナ
インドにおける肉
インド・・・・におけるヒンドゥ教では、宗教上の理由で「牛」は神聖なる生き物なので信仰の対象となっています。
それに関連してか「豚」は不浄なる生き物として、食べられていません。
お肉は「羊」か「鳥」、「山羊」などが多いです。
スラビが誕生した物語
スラビはとある物語で生まれた女神です。
それが、乳海撹拌(にゅうかいかくはん)と呼ばれるもので、この物語ではラクシュミーという女神も生まれています。
~乳海撹拌~
かつて神々とアスラ族が力を失った時、それを取り戻すために必要な薬「アムリタ」が必要であった。
それを手に入れるためには海を千年以上かき混ぜる必要があった。
その海を混ぜている過程で、ラクシュミーを始め、精霊、様々な神、宝物なども生まれた。
その中でスラビが生まれました。
この女神は「生きとし生きる生き物すべての養育者で、様々な願いを叶える力を持つ」といわれています。
ですが、インドではスラビが単独の女神として認識されることは少ないそうで・・・。
というのも、インドでは牛が崇拝の対象であり、スラビを崇拝するというのは牛を崇拝するのと同じですから。
英雄物語におけるスラビの活躍
英雄物語「ラーマーヤナ」ではスラビは聖仙カシュヤバの妻であり、
- ローヒニー
- ガンダルヴィー
の2人の娘を生んでいます。
彼女たちは「ローヒニーは牛の一族」、「ガンダルヴィーは馬の一族」がそれぞれ生まれています。
また、スラビの「願いを叶える力」に関する逸話があります。
~スラビと家畜たち~
牛の母ローヒニーは二人の娘を産み、娘たちは家畜の母になった。
ある日、スラビは牛や馬などの家畜たち、自分の子供や孫が苦しんで農作業に従事していることを嘆いた。
女神の「家畜たちへの休息」という願いを聞いた雷神インドラは、雨を降らせて世界中の家畜に休息を与えた。
また、火葬されて灰になった鳥の王に、天界の聖なる牛乳を与えて復活もさせたという逸話もあります。
まとめ: スラビはこんな女神
今回は僕たち日本人の食事に欠かせない牛の女神スラビについて紹介させていただきました。
インドでは牛は神聖なる生き物ですが、動画で見ていると子牛とかは食事に使うそうです。
牛は大丈夫なのかな?子牛だけなのかもしれませんが・・・・・・。
という訳で今回のまとめ
- スラビはインド神話における女神
- 生きる者たちの願いを叶える力を持つ
- 乳海撹拌によって生まれた女神
- 牛はインドでは崇拝の対象
- 英雄物語では家畜たちを救う活躍を見せている