今回紹介するのは
お酒好きな女神
スラーデーヴィー
です。
インド神話に興味がある人はぜひ読んでみてください。
スラーデーヴィーとは?
スラーデーヴィーはインド神話における女神の一人で「ヴェーダ時代(紀元前1000~500年頃)」に信仰を集めています。
そのプロフィールは以下の通りです。
~スラーデーヴィーの基本プロフィール~
- 別名: ヴァ―ルニー
- 別表記: スラー
- 名前の意味: 「酒」
- 夫: ヴァルナ
- 出典: マハーバーラタ
スラーデーヴィーの言葉の意味
「スラー」は「興奮させる水(酒)」
「デーヴィー」は「女神」
などの意味を表し、言葉通り「酒の女神」という意味
スラ―デーヴィー: 乳海撹拌
そんなスラーデーヴィーには英雄物語の「ラーマーヤナ」や「マハーバーラタ」にとあるエピソードあります。
それが天地創造の1つの物語「乳海撹拌」です。
~ 乳海撹拌 ~
神々とアスラが戦いに疲れて力を失った時、世界を維持するヴィシュヌ神はこう述べた
「乳海をかき回せば不死の飲み物、アムリタが得られる」
そこで神々とアスラが1000年間大海を撹拌し続けた。
この過程で「女神ラクシュミー」、「神酒ソーマ」、「月」、「天馬」など沢山の神様や物品、動物が生まれました。
この時、女神スラーデーヴィーがスラー酒と一緒に現れたと言われています。
1000年間撹拌すると、神々の医師ダンワンタリに抱かれて「アムリタ」が現れた。
今度はアムリタを巡って、アスラと神々が激しく争った。
最終的にはヴィシュヌ神の活躍で、神々がアムリタを手に入れて、不老不死となった。
スラー酒の効能
このスラー酒は神々に活力を与える神の酒「ソーマ」に匹敵すると言われています。
このお酒は「王の即位の式典(ラージャスーヤ祭)」などには欠かせない飲み物です。
それだけ大事なお酒なんですが、飲んでしまうと悪酔いするという話もあります。
日本では「酒呑童子などにお酒を飲ませて倒す」といった話があります。
インド神話でも蛇の怪物「ヴリトラ」にスラー酒を飲ませて倒す、といった物語があります。
スラー酒って何?
ここに出てくるスラー酒は神話では摩訶不思議な薬の様に感じられます。
ですが、そのお酒には3種類あると言われており、
- 糖蜜から蒸留されたもの
- 米粉から蒸留されたもの
- マドゥーカという植物の華から蒸留されたもの
がスラー酒ではないかという説です。
まとめ: スラーデーヴィーはこんな女神様
今回は酒に関するインド神話の女神「スラーデーヴィー」について解説させていただきました。
海をかき混ぜて酒や神様が生まれるとか本当にあり得るのかと言いたくなる世界です。
とはいえ、土をこねくり回して人間が出来上がったりするので神話の世界では普通のことなのかもしれませんね。
という訳で今回のまとめ
- スラーデーヴィーはインド神話におけるお酒の女神
- スラーは「興奮する水」、デーヴィーは「女神」
- 神話において、乳海をかき混ぜていた過程で生まれた女神
- スラー酒は人を悪酔いさせるほど度数が強い?