今回紹介するのは
戦争を引き起こした?
ターラー
です。
インド神話に興味がある人はぜひ読んでみてください。
[スポンサーリンク]インド神話のターラーとは?
ターラーはバーガヴァタ・プラーナにおける女神さまの一人です。
~ターラーのプロフィール~
- 名前の意味: 「星」
- 夫1: ブリハスパティ
- 夫2: チャンドラ
- 出典: バーガヴァタ・プラーナ
日本でのターラー
ターラーは仏教に取り入れられて、中国・日本では多羅菩薩や多羅観音などといった名前で呼ばれています。
手に青い蓮の花を持った仏様がターラーに当たります。
ターラーを巡る戦争の始まり
ターラーは紹介されている文献によっては異なる紹介をされています。
まず、「バーガヴァタ・プラーナ」で紹介されている彼女を見てみましょう。
~ターラーを巡る争い~
ターラーは元々、神々の師でもある聖仙’(リシ)ブリハスパティの妻であった。
しかし、彼女は月の神「チャンドラ」と浮気していたことがある。
チャンドラがターラーをブリハスパティのもとから強引に攫って新しい生活が始まった。
ブリハスパティや他の神々は、ターラーをブリハスパティに戻すように圧力をかけるがチャンドラは聞き入れず。
すると、この争いを見たアスラ族(神の宿敵)がチャンドラに味方する。
このことがきっかけとなり、「ターラカ―戦争」という神とアスラの大戦争が勃発することになった。
ターラーのお腹の子は誰の子供なのか?
戦争後もターラーを巡る物語がありますが、結構壮絶です。
それを見ていきましょう。
~ターラーの子供は誰の子?~
戦争は創造神ブラフマーの調停で終結した。
ターラーが夫の元に戻ると、彼女は妊娠していることが判明。
生まれた男の子は金色のように輝いており、ブリハスパティとチャンドラの双方が欲しがった。
それに呼応するかのように、他の神々もターラーに「どちらの子なのか?」と問い詰めた。
ターラー自身も回答を拒否していたが、子供自身が母親に対して本当のことを言うように求めた。
そして、母は息子は「チャンドラの子」と告白した。
そこで、子供は「ブダ(賢き者)」と名付けられ、チャンドラの元で育てられた。
重要な位置に位置する女神
ターラーは7世紀ごろにヒンドゥー教から派生したタントラ教(密教)で、10の女神で構成された「マハーヴィディヤー」の2番目に位置しています。
また、破壊神シヴァの妻でもあり、人類を救済する女神としても重要な位置にいます。
それが、輪廻転生において「人類を輪廻の輪から救済する」・・・・「解脱」に導くための知識を提供するということです。
インドにおいては輪廻転生が重要な考え方なので、ターラーの重要性は十分に理解できると思います。
まとめ: ターラーはこんな女神
今回は日本でも重要な立ち位置になる女神ターラーを紹介させていただきました。
この方のエピソードを見るとやはり女性を巡ることで大きな争いが起きることもあるということですね。(傾国の美女かな)
というわけで今回のまとめ
- ターラーは「星」を意味する女神
- ブリハスパティの妻
- 浮気相手のチャンドラの所に行く
- ターラーを巡り、悪魔と神の間で戦争が勃発
- 金のように輝く子供を巡り夫が誰かを問いただされた
- 夫はチャンドラ、子供はチャンドラの元で育てられた
- 10の女神で構成されたマハーヴィディヤーの2番目の女神
- 輪廻転生における「解脱」で重要な役割を果たす