今回紹介するのは
アイルランド平原を作った女神
タイルトゥ
です。
ケルト神話に興味がある人はぜひ一読してみてください。
タイルトゥとは?
タイルトゥはケルト神話の女神です。
アイルランド・スコットランドにおける女神で、トゥアハ・デ・ダナーン神族の女神です。
~タイルトゥのプロフィール~
- 名前の意味: 「整えられた」「見目麗しい」
- 英語表記: Tailriu
- 別名1: ティルテュ(Talti)
- 別名2: テルタ(Telta)
- 種族: フィル・ボルグ族
なぜ「フィル・ボルグ族」であり、「トゥアハ・デ・ダナーン神族」なのか?
タイルトゥ: アイルランド平原
アイルランドの国土はブリテン島やヨーロッパの本土に比べて平坦。
樹木の少ない平原が広がっています。
これは自然環境由来であると言われればそうです。
ですが、「トゥアハ・デ・ダナーン神話」にはちゃんとした理由があります。
それは「アイルランドの平原はタイルトゥという女神が作り上げた」という話です。
タイルトゥ: 農業の女神
タイルトゥは元々、アイルランドを支配していた民族「フィル・ボルグ族」の一員でした。
フィル族の王「エオホズ・マクアーク」の妻であり、農業の女神でした。
その後、「トゥアハ・デ・ダナーン神族」がアイルランドに登場し、戦争がフィル族との間で発生。
生き残ったタイルトゥは、トゥアハ・デ・ダナーン神族に加わっています。
タイルトゥ: 過労死した女神
トゥアハ・デ・ダナーン神族に加わったタイルトゥ。
彼女の名前が表舞台に出てくるのはもう少し後です。
~働きすぎは禁物~
女神エフニャが三つ子を産み、その1人が生き残った。
その子供を養母として育てたのが女神タイルトゥ。
この子供は後に光の神ルーととして育っていくことになる。
タイルトゥはルーを育て上げると「お前は私のために祭りを開くようになる」と言い残した。
そして、アイルランドの大森林を斧で切り開き、クローバーの生い茂る農業に適した大平原に作り替える作業を行った。
たとえ神であろうが、アイルランドの国土を斧一本で作り替える作業は重労働である。
この作業をこなし、タイルトゥは過労で命を落としてしまった。
彼女の死をアイルランド全土の人々は嘆き悲しんだ。
特に養子のルーの悲しみは深く、彼女の為に定期的に祭りを開くことを決意。
さらに、タイルトゥの切り開いた土地を「ティルタウン」と名付け、今も地名として残っている。
タイルトゥ: 収穫祭ルーナサ
このルーが主催した祭りは、祭日の8月1日前後1ヵ月にかけて行われます。
そして、祭りの名前はルーの名前をとって「ルーナサ(Lughnassadh)」と呼ばれます。
祭りは「秋の実りを祝う収穫祭で、農業の女神タイルトゥに感謝する祝祭」というもの。
この祭りでは、「乗馬競技・格闘技などのスポーツ、男女の求婚」などが行われます。
まとめ: タイルトゥはこんな女神
今回はケルト神話の女神タイルトゥについて紹介させていただきました。
神様でも過労死するという割と人間味あふれるところは好きです。
という訳で今回のまとめ
- タイルトゥはアイルランド神話の女神
- 「フィル・ボルグ族」の農業の女神
- 「トゥアハ・デ・ダナーン神族」に後々加わる
- 「光の神ルー」の養母(ルーはエフニャの息子)
- アイルランドの土地を斧一本で平原にしようとした
- この作業で過労死した珍しい女神
- ルーは彼女の為に祭り「ルーナサ」を催した
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