今回紹介するのは
恐ろしいが優しい女神
チャームンダー
です。
インド神話に興味がある人はぜひ読んでみてください。
インド神話のチャームンダーとは?
チャームンダーは「プラーナ時代」以降における女神さまの一人です。
~チャームンダーのプロフィール~
- 名前の意味: 「チャンダとムンタを殺したもの」
- 別名: ドゥルガー、カーリー
- 夫: シヴァ
- ヴァ―ハナ(乗り物): フクロウ、プレタ
- 出典: デーヴィー・マーハートミャ
代受苦
仏教には「代受苦」といった思想があるそうです。
これは仏様が人間の苦しみを身代わりに受けてくれるというものだそうで・・・・。
このチャームンダーも外見だけを見ると同じことをしているのではとも・・・・。
恐ろしく醜い外見を持つチャームンダー
この女神は外見が恐ろしいぐらい醜いです。
というのも、妖怪に近い見た目と言われていて
- 骨と皮だけのしなびた体
- 額に「第三の目」
- 髪がぼさぼさに乱れ
- しおれて垂れ下がった乳房と母乳
- 手には武器
- 人の首をつないで出来た首飾り
- 死体の上で踊っている
という、美男美女が多いと言われているインド神話では考えられない見た目です。
とある本では「ヤマンバ」とにているとかなんとか・・・・。
チャームンダーの見た目からは想像できない役割
こんな恐ろしい見た目をしており、「生と死の女神」、「全身で不吉さと不浄を表している」そんな存在です。
ですが、その外見とは反対に「人間の苦しみを背負う」という役目を持っています。
人間にとっては慈悲深い女神ですが、なぜこのような言い伝えなのか?
前述した「足元の死体」は「ブレタ」という幽霊で、日本では「餓鬼」と同じといわれています。
諸説ありますが、小説家の遠藤周作氏によれば、
「チャームンダーの乳房から流れている母乳は、飢えに苦しんでいるブレタ、つまり人間に与えている。
また、この女神は伝染病を人から引き受けて相手を癒す役割を持っている。
その代わり、彼女は病気と毒に常に苦しみ耐えながら、人間に癒しと恵みを与えている。」
とチャームンダーの役割を明確に示しています。
チャームンダーが元は異教徒の女神という説
九州大学院の比較社会文化学府・研究院というところでこんな説があったそうです。
チャームンダーの起源は
地方の大地母神
というのも、紀元前6世紀ごろに成立した「仏教」。
この仏教に信者を吸収され、衰退していった「バラモン教」が信者を取り戻そうとする動きが起きました。
この動きで生まれたのが「ヒンドゥー教」。
その中でも、ヒンドゥー教の南のシヴァ信仰の一派が、土着の女神に
- シヴァ神の妻
- アスラ族のチャンダとムンタを殺した勇ましい女神
という地位と神話を与えることで、信者を取り込もうとしました。
これで生まれたのがチャームンダーと言われています。
信者獲得のために作られた女神・・・・・。
まとめ: チャームンダーはこんな女神
今回は人の苦しみを受け取る女神チャームンダーについて紹介させていただきました。
外見は醜いのにやっていることは人間にとって大切なこと・・・・・。
人だけでなく、女神も外見によらないってことですね・・・・。
というわけで今回のまとめ
- チャームンダーはインド神話の女神
- 妖怪のような見た目を持つ
- 役割は「人間の苦しみを代わりに受け、人を癒す」
- 元々土着信仰の女神に神話などを与えた結果生まれた女神