今回紹介するのは
若き外見を維持できる女神
ウシャス
です。
インド神話に興味がある人はぜひぜひ見てください。
インド神話のウシャスとは?
ウシャスはインド神話における「ヴェーダ時代」という紀元前1000~500年頃に信仰を集めていた女神の一人です。
そのプロフィールは以下の通り。
~ウシャスの基本情報~
- 暁光の女神、朝焼けの女神
- 名前の意味: 曙(あけぼの)
- 夫: スーリヤ(諸説あり)
- 姉: 夜の女神「ラートリー」
- ヴァ―ハナ(乗り物): 黄金の戦車
- 出典: リグ・ヴェーダ
名前の由来
「輝く」を意味する「us」という言葉から来ています。
ローマ神話における曙の女神アウローラも同じ意味から来ているので語源は同じです。
ウシャスの外見は?
そんなウシャスの外見はいくつかあります。
- 美しく若い女性
- 母の手で化粧された娘
- 沐浴から上がった女性
- 金銀や宝石で着飾った踊り子
- まばゆい白い衣をまとった女性
- 太陽の光線で化粧した女性
といった総じて「輝く」という言葉に相応しい外見になっています。
[スポンサーリンク]太陽神スーリヤとの関係性
ウシャスは太陽神スーリヤの「恋人」「妻」といった関係性があります。
その為、太陽の1日の動きとよく関わっています。
ではそんな動きを見ていきましょう。
- 太陽が昇る前に「赤い馬」か「赤い牛に引かれた車」に乗って東の空に現れる
- 夜の闇を払って人間や動物を起こす
- その後太陽神スーリヤがウシャスの後を追いかける
- スーリヤが彼女を抱きしめてウシャスは消える
最後はなぜかウシャスが消えていますが、実はこれが若い外見を維持できる仕組みです。
見ていきましょう。
ウシャスが若い秘密
そして、ウシャスは先ほどのスーリヤに抱き着かれた後に消滅するといいました。
この抱きしめられた翌日の早朝に彼女はもう一度転生します。
これのお陰でウシャスは何度も同じ若い姿に転生しなおすことができます。
また、この転生は一定期間・・・・ではなく毎日行われています。
これを踏まえて元々管理人は「輪廻転生」が関わっているのかなとも思っていました。
ですが、太陽の恋人、朝焼けの女神であること。
そして消滅した翌日の早朝に生まれ変わった姿で現れること。
この2つを踏まえて考えてみるとウシャスは「ヴェーダ時代の人間が太陽を神格化」した際に生まれた女神だからです。
太陽は常に変わることなく同じ姿で現れます。
昔の人が太陽を神(スーリヤ)と捉え、その神の妻も生み出して、「変わることのない永遠の美」と捉えたのかもしれませんね。
ウシャスのもたらす恩恵は?
そんなウシャスが世の中に与える恩恵やその彼女自身の役割は何だったのでしょうか?
彼女は「聖典: リグ・ヴェーダ」においてはかなり重要とみなされていた女神です。
その中では彼女の役割やもたらす恩恵を記した「賛歌」が20以上存在します。
賛歌とは?
「賛歌」というのは神様を讃える呪文のようなもので、神の特徴に加えてその神がもたらす恩恵なども記されている。
- 寝ている人間・動物を起こす
- 夜の闇を払い、災厄も退けて幸運を呼び込む
- 「財宝」「名誉」「勝利」を人間にもたらす
などが彼女のもたらす恩恵や彼女の役割としてあります。
「1番目」と「3番目」を軽く見ていきましょう。
寝ている人間や動物を起こす
ウシャスが寝ている人間や動物を起こすというのは太陽が昇ると同時に人間は目が覚めるというところから来ていると考えられます。
ですがこの対象に当てはまらない人間があります。
それが「神々に供物を捧げない人間」で、この場合は「光のない闇の中で眠らせる」といいます。
「捧げものもしないのに何かしてくれというのはおかしい、神に感謝してしっかりと供物をささげるべき」
という考えでしょう。
「財宝」や「名誉」などを人間にもたらす
この恩恵は特に目立ちます。
ウシャスの歌には「財宝」などの単語が多く繰り返されていることでも有名です。
これは「太陽の煌めき」=「金銀財宝の煌めき」と紐づけられているからと考えられています。
確かに太陽はパッと見では「黄金に匹敵するほど」の輝きを放ちます。
関連付けられるのも納得できます。
まとめ: ウシャスはこんな女神
インド神話の中でも僕たちの身近にある太陽の神の妻でもあるウシャスについて今回は取り上げました。
太陽に対して昔の人たちがどういった想い、考え、理想を持っていたのかがよく分かりますね。
というわけで今回のまとめ
- ウシャスはインド神話の「ヴェーダ時代」に信仰を集めていた神
- 太陽神スーリヤの妻
- 外見は総じて美しい女性の姿
- 太陽が昇ると同時に消滅し、次の日に生まれ変わる
- 供物をささげる人を起こしてくれる
- 闇を払い、幸運をもたらす
- 金銀などの財宝などをもたらしてくれる