今回紹介するのは
宇宙の根本の女神
ヴァーチュ
です。
インド神話に興味がある人はぜひ読んでみてください。
インド神話のヴァーチュとは?
ヴァーチュは「ヴェーダ時代」における女神さまの一人です。
~ヴァ―チュのプロフィール~
- 別名: サラスヴァティ―
- 別表記: ヴァ―チ
- 異名: 言語の女神
- 名前の意味: 言葉、声
- 出典: リグ・ヴェーダ
誕生経緯
元々古代宗教のバラモン教というのは「神様に供物と祈りの言葉をともに捧げて、自然を操ってもらう」といったことを目的としている宗教。
そんな宗教では「言葉」というのは大変神聖なものでした。
そこで存在していたのがヴァ―チュなる「言葉の女神」。
ヴァーチュの役割は?
そんなヴァ―チュの役割はかなり大きなものになります。
- 世の中のすべての現象
- 人々に不和をもたらす
それぞれ見ていきましょう。
世の中のすべての現象が彼女
「ヴェーダ」に収録されている彼女の参加にはこう記載されています。
「世の中の全てがヴァ―チュによって動かされる」
というものです。
呼吸をする、食事をする、物事を識別するといったものが全て彼女の働きとなります。
そこで、彼女を崇拝して供物を捧げて女神の寵愛を受けた者は
- 強靭な肉体
- 賢い頭脳
- 豊かな財産
などを受け取ることができるそうです。
全てがヴァ―チュによって成立しているならお茶の子さいさいですね。
人々に不和をもたらす
先ほど、ヴァ―チュは全ての万物において支配している、と書きましたが当然会話においても同じことが言えます。
言葉を支配できるということは、人間の会話から争いや不仲に導くことも簡単です。
なので人間達は女神に対して敬意を抱き、話す言葉全てに注意しないといけないということです。
宇宙の根本原理がヴァーチュ・・・・?
そんな言葉を表す「ヴァーチェ」。
外見はあるのか・・・・・・・という話なんですが、ここで関係してくるのが「会話」です。
言葉の女神ということは「人間が住んでいる場所」の全てに存在している・・・・と同じことです。
なので、「ヴェーダ」ではヴァ―チュが「宇宙の根本原理」といったかのように記載されているそうです。
男尊女卑の考えを正当化するエピソード
バラモン教では聖典を学んで神と交渉するのは男と定めていました。
こういった古い時代における男女の役割、この分け方を正当化する話がヴァーチュにはあります。
~ヴァ―チュの神話~
神々「デーヴァ」と精霊「ガンダルヴァ」が言葉の女神「ヴァ―チュ」にどちらに所属するべきかを競った。
最終的に両者ともに「ヴァ―チュ」に委ねることにした。
神々の「デーヴァ」は「ヴェーダ」を唱えてヴァ―チュを呼ぶ。
精霊の「ガンダルヴァ」は舞い踊ってヴァ―チュを誘った。
最終的に「ヴァ―チュ」は舞い踊るガンダルヴァの方を選びました。
そして、女性は歌舞を好んで「ヴェーダ」に関わらなくなった。
どちらかというと
- 男は聖句を唱えて神を呼ぶ
- 女性は舞い踊って神を誘う
とそれぞれ大切な役割を決められたかのように感じられますね。
まとめ: ヴァーチュはこんな女神!!
今回は人間のコミュニケーション能力の一つでもある、「言葉」に関する女神さまを紹介させていただきました。
今回参考にした本では「爆乳なアイドル」風な感じで描かれていたのでぜひ気になる方は読んでみてください。
というわけで今回のまとめ!!
- ヴァ―チュはインド神話の女神
- 言葉は神聖なものであり、神から与えられたものと考えられていた
- 世の中の全てがヴァ―チュで成り立つ
- 人間が話す場所にヴァ―チュは同時に存在する
- 宇宙の根本原理がこの女神
- 男尊女卑を正当化するエピソードに彼女がいる