今回紹介するのは
騙された蛇の女神
ヴィナター
です。
インド神話に興味がある人はぜひ読んでみてください。
[スポンサーリンク]インド神話のヴィナターとは?
ヴィナターは「プラーナ時代」以降における女神さまの一人です。
外見がかなり美しい女神様であり、上半身が人間で下半身が蛇のナーガの一族でもあります。
~ヴィナターのプロフィール~
- 名前の意味: 「かがむ」の過去形
- 別名: スバルニー
- 夫: カシュヤバ
- 出典: マハーバーラタ
姉カドゥルーとの関係
女神ヴィナターは鳥類の王である「ガルダ」の母親であり、カドゥルーの妹です。
二人とも同じ夫カシュヤバの妻で、ヴィナターは甲斐甲斐しく世話を焼く良妻でしたが、姉には競争意識を持っていました。
ヴィナターの対抗心から起きた悲劇
ヴィナターに関する神話は姉「カドゥルー」との競争意識に関するものです。
神話体系なので、その競争時間も数百年単位とだいぶ長いです。
~姉への対抗心と悲劇~
ヴィナターとカドゥルーは夫から望むものを聞かれたとき、
カドゥルーは「1000人の優秀な子供」を望んだ。
それに対し、ヴィナターは対抗心から「カドゥルーの息子より全ての面で優れた息子が欲しい。ただ、人数は2人でいいです。」と願った。
それぞれ2人は望んだ分だけ卵を産み、孵化するまで待ち続けた。
それから500年後、カドゥルーの子供の卵は全て孵化したが、ヴィナターの方は孵化する気配がなかった。
ここでも、カドゥルーに対する対抗心からか、焦ってしまったヴィナターは卵の中身を確認しようと片方を割ってしまった。
すると、中には上半身が出来上がっていたが下半身は出来上がっていない息子「アルナ」がいた。
成長を止められたアルナは怒り、ヴィナターに「500年間姉のカドゥルーの奴隷になる」という呪いをかけた。
アルナはその後、朝焼けの赤い空になって母の元を去ってしまった。
もう片方の息子「ガルダ」はこの出来事から500年後に生まれてきた。
つまり、ヴィナターはあと500年待つことができれば、姉の子供たちよりも優れた息子を二人設けれたんです。
好奇心からか息子を一人失い、自分は対抗意識を持っていた姉の奴隷になってしう呪いまで掛けられたんです。
ヴィナターの息子ガルダの活躍による救済
ヴィナターはこの呪いをかけられた後、姉カドゥルーとの賭けに負けて奴隷となってしまいました。
ですがその500年後、息子のガルダは不憫に思ってカドゥルーの息子たちに解放するように頼みました。
蛇たちは「神々の飲み物であるアムリタを与えてくれるなら解放しよう」と答えた。
ガルダは天界にいってアムリタを盗んだが母を奴隷にした蛇達には渡さなかった。
そこで、雷神のインドラと共謀し、アムリタを与えるふりをして先に母と自分を奴隷から解放させた。
その後、アムリタを飲まれる前にインドラへ返還し、蛇たちを食料とする権利まで得た。
ヴィナターは息子の英雄的活躍によって自由を取り戻しました。
まとめ: ヴィナターはこんな女神
今回はナーガ族の女神であるヴィナターを紹介させていただきました。
意地悪な姉を持って大変な思いをしていますが、親をちゃんと想う息子のお陰で救われています。
焦りは禁物ということですね・・・・・。
というわけで今回のまとめ
- ヴィナターはナーガ族の女神
- 姉カドゥルーと競争で2人の子供をもうけた
- 焦りからか卵を割り、怒った息子に呪いをかけられ、息子も失う
- 姉との賭けに負け、500年奴隷にされる
- もう一人の息子「ガルダ」の活躍で自由を得た
- ガルダは鳥類の王になった